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洞窟からの脱出を映画に!ハリウッドプロデューサーが早くも現地で聞き込み

ニューズウィーク日本版 / 2018年7月11日 17時30分

<世界中の目をくぎ付けにした少年たちの勇気と奇跡的生還の物語。「第一級のハリウッド大作」の争奪戦が始まった>

タイ北部のチェンライ県で洞窟に閉じ込められたサッカー少年たちが、ひとりまたひとりと救出されるなか、ハリウッドの映画プロデューサーたちの目は早くも次の大ヒット作に向けられていた。

オーストラリアのニュースサイト「news.com.au」が報じたところによれば、アメリカの撮影クルーがタイのチェンライ郊外の救出現場へ赴き、少年たちの所属するサッカーチーム「ワイルド・ボアーズ」の物語を描く映画の準備を始めているという。

11歳から16歳までの少年12人が、成人のコーチ1人とともに行方不明になったのは、6月23日。捜索は9日間に及び、世界中が最悪の事態を予想したなかで、浸水した洞窟の入り口から4キロほどの場所で、閉じ込められている少年たちが発見された。

3日がかりの救出作戦で、少年たちとコーチは全員救出され、いずれも健康状態は良好だという。病院に運ばれて治療や検査を受けている。

だがプロのダイバーたちが命の危険を冒して少年たちを救出しているさなか、ハリウッドのプロデューサー2人は少年たちの物語を描くプロジェクトを始動させていた。映画制作会社ピュア・フリックス・エンターテインメントのマネージングパートナー(共同経営者)であるマイケル・スコットは、オーストラリアのAAP通信に対し、浸水した洞窟をめぐるこの物語は「第一級のハリウッド大作」になると語った。

報道によれば、スコットと共同プロデューサーのアダム・スミスは、救出現場周辺で人々に話を聞いて歩いたという。現地には、1000人を超えるタイ人のほか、救出に携わる国際的な専門家数十人が集まっている。スコットらは、タイ海軍特殊部隊と、タイ国外の救助隊、さらには救出された少年たちとその家族にもインタビューを行いたいと考えている。独占映画化権を手に入れたら、脚本家と協力して物語に命を吹き込みたいと、ピュア・フリックスは目論んでいる。



ピュア・フリックスはキリスト教系の映画制作会社で、これまでで最も知られている作品は、2014年の映画『God's Not Dead(日本タイトル:神は死んだのか)』だ。この作品には、ディーン・ケインや、テレビドラマ『ヘラクレス』の主演俳優ケビン・ソーボが出演している。

ただ、こうした行動を無神経だと考える人もおり、なかには搾取的行為だとする声もあるが、スミスはAAP通信に対し、次のように語っている。「ほかの制作会社も押し寄せるだろう。迅速に行動する必要があるんだ」

今回の救出劇は世界の注目を集め、世界中のいたるところにいる見物人たちが、最後のひとりが救出されるまで息をのんで見守った。脱出経路は危険で、少年たちは水没したトンネルを抜けなければならない。トンネルは狭く曲がりくねっており、暗くて視界限られている。訓練を積んだプロにとっても厳しいのに、少年たちは潜水どころか泳ぎもできない者もいた。7月6日にはタイ海軍特殊部隊に所属の潜水士サマン・クナンが、トンネル内で酸素が尽きて死亡している。

(翻訳:ガリレオ)

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デービッド・ブレナン

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