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現実味を帯びてきた在韓米軍撤収のシナリオ

ニューズウィーク日本版 / 2018年7月13日 17時40分

韓国大統領府の文正仁(ムン・ジョンイン)統一外交安保特別補佐官は、「北朝鮮と平和協定が締結されれば、在韓米軍の存在を正当化し続けることは難しい」と米フォーリン・アフェアーズ誌に寄稿している。韓国政府はこの見方を否定したが、文の考えは、韓国の革新派が北朝鮮との融和のためなら在韓米軍の撤収を受け入れる用意があることを示している。



北朝鮮の金正恩(キム・ジョンウン)朝鮮労働党委員長と中国の習近平(シー・チンピン)国家主席も、平和協定が結ばれれば在韓米軍の撤収を求めることで一致したと伝えられている。だが平和協定締結が実現しても、米韓両国が在韓米軍を不要と見なさない限り撤収することはないだろう。

在韓米軍撤収の可能性が大きく高まっているのは、トランプ自身がそれを不要と考えているためだ。ニューヨーク・タイムズ紙は5月に、トランプが在韓米軍の縮小の検討を指示したと報じた。記事によれば、トランプは韓国政府の駐留経費負担が少ないことに不満を募らせているという。トランプ政権はこの記事の内容を否定しているが、トランプが在韓米軍は優良な「投資」ではないと考えているのは間違いない。

トランプが在韓米軍を撤収すると決断すれば、これを止めることは容易ではない。日本も在韓米軍の撤収がどのような形で在日米軍と日米同盟に影響を与えるのか、早急に検討する必要がある。

<本誌2018年7月17日号【最新号】掲載>

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小谷哲男(明海大学外国語学部准教授・日本国際問題研究所主任研究員)


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