米ロ会談、プーチンの肩持った裏切り者トランプにアメリカ騒然
ニューズウィーク日本版 / 2018年7月17日 15時10分
<一部で懸念されていたとおり、トランプはまんまとプーチンの術中にはまって自国の選挙に介入したロシアを無罪放免にしてしまった>
7月16日、フィンランドの首都ヘルシンキで米ロ首脳会談が開催された。会談後にロシアのウラジーミル・プーチン大統領と共に記者会見に臨んだドナルド・トランプ大統領。その発言に共和党も含む米連邦議会の議員、国土安全保障当局者や諜報当局者らの間から怒りの声が上がった。ロシアが2016年の米大統領選に介入した疑惑について、トランプがFBIなど自国の情報機関が出した結論に公然と異を唱えたためだ。
「私はアメリカの情報当局者たちを大いに信頼している。だがプーチン大統領は今日、疑惑をきわめて強く否定した」とトランプは語った。
プーチンと2時間にわたって1対1の会談を行い、さらにその後そのほかのメンバーを加えて2国間協議を行ったトランプは、米ロ関係が悪化していた責任について記者団に「両国に責任がある。アメリカは愚かだった。我々はみんな、愚かだった。もっとずっと前に、この問題について話し合っておくべきだった」と語った。「捜査は両国にとって最悪の事態で、我々を分断するものだったと考えている。共謀などなかったことは、みんなが知っている」
マティス国防長官は辞任か
米ロ首脳会談に先立ち13日には、ロッド・ローゼンスタイン米司法副長官が12人のロシア人を起訴したと発表したばかり。12人は選挙介入目的でサイバー攻撃を仕掛けた罪に問われており、ロシア軍参謀本部情報総局(GRU)のメンバーだと考えられている。起訴は、トランプ政権のロシア疑惑を調べているロバート・モラー特別検察官の捜査の中で行われたものだ。
ワシントンを拠点に安全保障問題を扱う弁護士で、情報当局者たちの代理人も務めるブラッド・モスは、「アメリカの大統領が外国で、選挙での自らの勝利を手助けした疑いがあるロシアの独裁者の隣に立ってその味方をした」と語り、トランプ発言を批判した。
モスはさらに、トランプの発言を受けて、ジェームズ・マティス国防長官とダン・コーツ国家情報長官が今後の身の振り方を考えざるを得なくなる可能性も示唆した。
「彼らは今回のトランプの言動を、アメリカの大統領として適切な言動と考えるだろうか」とモスは語り、さらにツイッターに、今回のトランプ発言が2人の辞任理由にならないならば「どんなことも辞任理由にはならないだろう」と投稿した。
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