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自らを「ユダヤ人国家」と定めたイスラエルは、建国の理念も捨て去った

ニューズウィーク日本版 / 2018年7月20日 14時30分

アラブ系議員のアフマド・ティビは、同法が「民主主義の死」を意味し、「衝撃と悲しみ」をもって受け止めたと語っている。



一方、右派政党リクードの党首、ベンヤミン・ネタニヤフ首相は、「イスラエルのユダヤ人国家としての地位を将来に渡って保証する法律」と語っている。政府は引き続き少数派の権利を保護するが、「多数派もまた権利を有し、多数派が判断を下す」とも通告した。

アラブ少数派の法的権利擁護センター「アダラー」は声明を出し、この法律が「イスラエルの人種的、宗教的特性がユダヤだけに限られることを保証し、ユダヤ人市民が享受する特権を擁護するものだ。同時にパレスチナ人市民への差別を恒久化し、パレスチナ人の排斥、差別、体系的不平等を合法化する」と非難する。

アダラーのハサン・ジャバリーン所長は、法律には「アパルトヘイトの主要な要素」がすべて含まれていると主張し、それらは「倫理的に問題なだけでなく、国際法上もはっきりと禁止されている」と反発する。「統治権と民主的自治権が唯一ユダヤ人だけにあると規定したことで、イスラエルは差別を合憲化し、ユダヤ人優位を制度の根幹に据えることを明言した」と話す。

左派寄りのシンクタンク「イスラエル民主研究所」はフェイスブック上で、イスラエルの独立宣言のうち、新法で完全に否定された箇所に下線を引いた画像をアップした。独立宣言では、「すべての居住者の利益のために」国家の発展に尽力することや、「宗教、人種、性別に関わらずすべての居住者の完全に平等な社会的、政治的権利」を確立する必要があること、「国連憲章の原則」を遵守することがうたわれている。

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デービッド・ブレナン


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