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アメリカ人の半数がNATO同盟国の防衛に否定的

ニューズウィーク日本版 / 2018年7月20日 17時30分

トランプは一時、GDP比目標を現行の2%から4%に引き上げるよう要求した。アメリカの現在の国防費はGDPの約3.5%だから、アメリカも増やすつもりだったのか。トランプはまた、アメリカはNATOの費用の90%を負担しているとも主張したが、実際の負担は約70%。そのうち欧州諸国におけるNATO関連の防衛費に使われるのはわずか15%だ、とロイターは報じた。



トランプは首脳会議後の7月12日朝に予定外の記者会見を開催。同盟国から負担増の確約を取り付けたと自画自賛した。「かなり短い年数で達成できるだろう」

世論調査の結果からわかるのは、多くのアメリカ人が同盟国に金を求めるトランプの論理を支持しているということだ。そうした世論の傾向は、モンテネグロをめぐるトランプの発言を思うとさらに気掛かりだ。7月17日に放送された米FOXニュースのインタビューで、トランプはバルカン半島の小国モンテネグロをアメリカが防衛すべきか問われると、「(防衛しようとすれば)第三次世界大戦になってしまう」と否定した。

2017年6月にNATOに正式加盟したモンテネグロは、ロシアの脅威やサイバー攻撃と戦っており、2016年10月の議会選ではロシアが関与したとされるクーデター計画を阻止したこともある。当時の報道では、モンテネグロのNATO加盟に強く反発していたロシアが、それを妨害するために仕組んだもの、といわれた。

トランプはブリュッセルで開かれたNATO首脳会議で同盟国に喧嘩を売る一方、直後にフィンランドの首都ヘルシンキで開かれた米ロ首脳会談ではプーチンにべったりで、同盟国との溝は決定的になった。

ロシアの外交戦略の重点の1つは、欧米諸国が築いたEUやNATOなどの多国間の協力体制を弱体化させること。トランプの言動は、まさにロシアの思う壺だ。

(翻訳:河原里香)

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デービッド・ブレナン


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