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【南シナ海】中国がASEAN諸国と新たな合同軍事演習を画策

ニューズウィーク日本版 / 2018年8月3日 19時27分



その際アメリカは、中国がスプラトリー(南沙)諸島の人工島に「対艦巡航ミサイルと地対空ミサイルを配備し、米海軍などの通信やレーダー探査を妨害するための電子戦施設を設置した証拠がある」と批判。「南シナ海で中国が進める軍事拠点化は、同地域の緊張を高めて情勢を不安定化させるだけだ」、と批判した。中国外務省は反発し、もしアメリカが「1つや2つの合同演習を操ることで、中国を脅迫し南シナ海における主権を放棄させられると考えているなら、非現実的な妄想であり、無駄だ」と牽制した。

その後は、米中が共に方向修正を図っている。6月には、ジェームズ・マティス米国防長官がアメリカの国防長官として4年ぶりに中国を訪問。米中間における外交手段を強化する狙いがあったとみられている。このときのマティスの招聘に応じ、中国からも魏鳳和国務委員(副首相級)兼国防相と海軍トップの沈金竜司令官が年内に訪米する見込みだ。中国共産党系メディアの環球時報の記事を引用して、中国国営の英字メディア、チャイナ・ミリタリーが報じた。

貿易でも火花

だが、アジア太平洋地域における地政学的な争い以外にも、アメリカと中国の利害が激しく対立している分野がある──貿易だ。トランプは国内の雇用と安全保障を守るのに必要、という理由で鉄鋼とアルミニウムに追加関税を発動。それに対して中国は、世界の2大経済大国が初の貿易戦争に突入することになる、と警告。米中両国はすでに互いの輸入品に数百億ドル規模の追加関税をかけており、トランプは今後さらに2000億ドル、あるいは中国から輸入する年5000億ドル強の輸入品すべてに関税をかけるかもしれない、と脅している。

中国は「経済史上最大の貿易戦争」(商務省)に徹底抗戦すると言いながらも、トランプの脅迫に対して比較的冷静な対応を貫いている。中国外務省の耿爽報道官は8月2日の定例会見で、アメリカに2つの忠告をした。

「まずは態度を正し、中国を脅迫しようとしても無駄だと忠告する。次に、理性を取り戻し、感情にまかせた行動を取らないよう忠告する。さもないと、最後は我が身を傷つけてしまうからだ」

(翻訳:河原里香)


トム・オコナー


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