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ISISの「奴隷」にされた少女が、避難先のドイツで元戦闘員と悪夢の再会

ニューズウィーク日本版 / 2018年8月17日 16時20分



タロはその場から走り去り、男がいなくなるまで近くの市場に身を隠したという。帰宅後、兄弟に一部始終を話し、翌日には難民キャンプの管理者に連絡した。通報を受けた警察は、防犯カメラの映像から男の身元を特定できたにもかかわらず、男が「難民」であり、必ずしも罪を犯したわけではないので警察にできることはほぼ何もない、とタロに告げた。

「警察は、男も君と同じ難民だから今は対応できない、と言った。万が一また男に呼び止められたらここに連絡すればいい、と言って電話番号を渡されただけだった。その対応で、(イラク北部の)クルド人自治区に戻ろう、ドイツには二度と戻るまい、と決心した」と、タロはバスニュースに語った。

シュツットガルトを管轄するバーデン・ビュルテンベルク州警察に本誌がコメントを求めたが、すぐに回答はなかった。

ドイツは、ISISの支配を逃れたイラクやシリアからの難民を率先して支援し、近年100万人以上の難民を受け入れてきた。だがドイツへの難民申請者の数は、ピークだった2015年の89万人から、2017年には18万6644人まで激減した。さらに、国内の保守派が難民の受け入れに不満を募らせるなか、メルケル政権は今年7月、政権崩壊の危機を回避するために難民の受け入れ抑制を表明した。

(翻訳:河原里香)

トム・オコナー


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