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「#MeToo」運動を率いた女優のとんだ性癖

ニューズウィーク日本版 / 2018年8月22日 21時0分

<ハリウッドの大物プロデューサー、ハービー・ワインスタインによる性的暴行を最初に告発した一人だが、17歳の少年をレイプした過去が明るみに?>

イタリア人女優アーシア・アルジェント(42)は、ハリウッドの大物プロデューサー、ハービー・ワインスタインによる性的暴行を最初に告発した女優の一人。#MeToo運動の指導的な役割を果たしてきたが、実はみずからの未成年への性的暴行をめぐって多額の賠償金の支払いに合意していた、と8月19日にニューヨーク・タイムズが報じた。

被害者として報じられたのは、元子役の俳優ジミー・ベネット(22)。アルジェントがワインスタインを告発した1カ月後に、アルジェントに対して訴訟を起こす意思を通知したという。

「ワインスタインの多くの犠牲者の一人としてアルジェントが脚光を浴びるのを見て、ベネットは当時の自分の感情を思い出した」と、ベネットの弁護士ゴードン・K・サットロは言う。

アルジェントと、恋人の有名シェフ、故アンソニー・ボーディンは、ベネットに口止め料として38万ドルを1年半かけて支払うことに同意。今年4月に初めに20万ドルを支払った、とニューヨーク・タイムズは報じている。

報道内容を全面否定

事件が起きたのは、ベネットが17歳、アルジェントが37歳のときだった。二人はアルジェントが母親、ベネットが息子を演じた04年の映画『サラ、いつわりの祈り』の撮影で親しくなった。

13年5月9日に、二人はカリフォルニア州マリーナ・デル・レイのリッツ・カールトン・ホテルで再会した。アルジェントはベネットに酒を飲ませ、性行為を強要した。彼女はベネットに2ショットの写真を撮らせ、その一部を自分のインスタグラムに投稿した、とニューヨーク・ポストは報じた。

カリフォルニアでは法定の性行同意年齢は18歳。17歳だったベネットとの性行為は犯罪となる。彼は昨年11月、アルジェントに350万ドルの損害賠償を求める訴訟を起こす旨の通知を送った。ベネットの弁護士は、意図的な暴行によって精神的苦痛がもたらされ、本来得られるはずの利益が失われたと主張した。

アージェントは21日、ジャーナリストのヤシャル・アリ宛てに声明を送り、ニューヨーク・タイムズの報道を全面的に否定した。「でたらめな記事を読んで、ひどいショックを受け、傷ついた。ベネットと性的関係をもったことはない」と彼女は断言した。ベネットが彼女に「法外な」賠償金を要求したのは、ベネット自身が経済的に苦しいからだと主張。彼女の恋人だったアンソニー・ボーディンが金持ちで、博愛精神に満ちた人物であることをベネットが知っていた、ということも訴えた。



「アンソニーはこの問題を内密に処理すべきだと考え、ベネットも同意していた。ベネットが私たちの人生をこれ以上侵害しないという条件のもとで、アンソニーは個人的にベネットの要求に思いやりをもって対応することにした」


こうした報道に対して、ワインスタインを性的暴行で告発した最初の一人であるローズ・マッゴーワンは、「私は傷ついている」とコメントした。

アルジェントは今年6月に自殺したボーディンとは2年越しの交際だったが、マッゴーワンによれば、2人の関係は「自由気まま」で、伝統的な男女関係の概念を超えていたという。

共演者との性的な関係について、アルジェントはきわめてオープンだった。「映画の撮影中は、特にロケの間は、かまわない。疲れているし、共演の人たちとは離れられない。でも、セットの外に出たら、一緒に過ごすなんてムリ」と、彼女は語ったことがある。


ススミタ・スレシュ

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