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強気一辺倒だったトランプに起きた「異変」とは - 冷泉彰彦 プリンストン発 日本/アメリカ 新時代

ニューズウィーク日本版 / 2018年8月28日 15時0分



ですが、今回のように「無視」→「遺族への短い形式的な弔意」→「故人への弔意」と発言が変わったこと、また星条旗の扱いについても「半旗」→「元に戻す」→「批判を浴びて再び半旗に」と対応が変化したこと、これは異例なことだと思います。というのは、貿易戦争から移民政策まで「どんなに極端な政策でもブレない」ということを売りものにしてきた、この大統領「らしくない」からです。

異例ということでは、8月22日にFOXニュースの単独インタビューを受けた際の大統領の発言もおかしなものがありました。大統領は、自分から「私を弾劾することなんてできない、やったら市場はクラッシュする」という発言をしています。一見すると強気とも取れますが、大統領自身の口から「弾劾(impeachment)」という言葉が飛び出したのは、まったく異例なことです。

トランプにしては珍しい「弱気」と見ることができます。多くの側近が司法当局と取引して、大統領周辺のカネの流れなどについて証言を始めている中で、多くのスキャンダルを正面突破する自信がなくなってきたのかもしれません。

もちろん現時点ではFBIやムラー独立検察官が、大統領をそこまで追い詰めることが可能なのか、まだまったく先行きは不透明です。また、11月の中間選挙へ向けた与野党の選挙戦もほとんど拮抗しており、どちらが勝つかは見えません。

ですから今後の政局に関しては、それこそ「一寸先は闇」なのですが、少なくとも「ブレることなく、常に自信満々」だった大統領に「異変」が起きつつあるというのは注目するべき点だと思います。

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