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ウッドワードが新著で暴いたトランプの無能

ニューズウィーク日本版 / 2018年9月6日 18時0分

トランプが国際情勢にあまりに無知なことに、国家安全保障チームはあきれていたようだ。1月19日に行われた国家安全保障会議の会合で、トランプはこうわめき立てた。アメリカは一体全体、何のために自腹を切って朝鮮半島に軍隊を派遣しているのだ!

北朝鮮のミサイル発射を7秒で探知できる能力を有するなど、在韓米軍の重要性は言うまでもない。ジェームズ・マティス国防長官は「第3次世界大戦を防ぐためです」とトランプに言って聞かせ、後に本人のいない所で、大統領の理解は「小学校5、6年生程度だ」と吐き捨てたという。



側近をののしりまくる

2017年4月、シリアのバシャル・アサド大統領が再び化学兵器を使用すると、トランプは「奴を殺そう! 介入するしかない。奴らをバンバン殺そう」と、電話でマティスにわめいたという。

電話が終わると、マティスは、「われわれは今言われたことを1つも実行しない。それよりもはるかに慎重に事を運ぶ」と部下に指示したと、ウッドワードは書いている。

気に入らない人間ばかりか、自分のために働いているスタッフにも痛罵を浴びせるのがトランプ流らしい。暴露本によれば、トランプの周囲の人間は漏れなく口汚くののしられた経験を持つ。プリーバスは「ネズミみたいだ。ただこそこそ走り回っている」と言われ、ジェフ・セッションズ司法長官は「精神遅滞」、「愚鈍な南部人」などと嘲笑され、ウィルバー・ロス商務長官は「あんたは信用できない。もう交渉を任せられない......あんたは老いぼれだ」と、面と向かって吠えられたという。

さらに、トランプはテロ対策顧問の言うことより、ゴルフ中継を優先したと、ウッドワードは書いている。安全保障・対テロ担当大統領補佐官を辞任したトム・ボサートが在任中、サイバーテロに関して話をしたいと申し入れると、トランプはそれより「マスターズの中継が見たい」と駄々をこねたというのだ。「おまえらサイバー野郎たちは......糞サイバー何たらで、私を戦争に引き込もうとしている」それがトランプの言い草だったという。

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ハリエット・シンクレア


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