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役者ぞろいの群像劇『1987、ある闘いの真実』が見せる韓国民主化の痛み

ニューズウィーク日本版 / 2018年9月20日 16時0分

厳しい報道統制により事件は国内で報じられておらず、「こんなにおぞましいことが韓国で起きていて、語られていないことに衝撃を受けた。たぶんあれがこの作品を撮る種になった」。



キム・テリ演じる女子大生ヨニの淡い恋が物語から少し浮いて見えるのは、彼女だけ架空の人物だからか? しかしジュナンはそんな見方を否定する。

「歴史に記録されなくても、当時たくさんのヨニがいたはず。独裁政権下で何かが違うと感じ、葛藤していた多くの人の心情を代弁するのがヨニだ。彼女は映画の大切なテーマを伝える存在でもある。人が人を信じたとき、それぞれの人が最低限の良心を守ったとき、大きな力を発揮できるということだ」

「広場に集う民衆を見た観客に、自分もこうした歴史の主人公になれると思ってほしい」とジュナンは言う。権力は都合の悪いことは隠したがる。でも普通の人々が諦めず真実を求めることが大切――どんな時代や社会にも通じるメッセージだ。

<本誌2018年9月18日号掲載>



[2018.9.18号掲載]
大橋希(本誌記者)


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