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世界的潮流「ESG投資」とは何か、「なでしこ銘柄」は儲かるか

ニューズウィーク日本版 / 2018年9月26日 17時30分

このうち、6年連続で選ばれたのは東京急行電鉄<9005>とKDDI<9433>の2社。今回初めて選出された銘柄は14社で、社名の後ろに*を付けておきました。また、東証1部以外では、東証2部のスリープログループ<2375>が選ばれています。

なでしこに投資するメリット

それでは、なでしこ銘柄に投資するメリットは何でしょうか。わざわざ国と東証が選んでおすすめしているわけですから、これらの銘柄を買えば「儲かる」はずです。

「なでしこ銘柄レポート」によれば、なでしこ48社の運用パフォーマンスはTOPIXを上回っていることがわかります(経済産業省、東京証券取引所「平成29年度なでしこ銘柄レポート」より)。



業績パフォーマンスでも、売上高営業利益率、総資産利益率(ROA)、投下資本利益率(ROIC)はいずれも、東証1部銘柄の平均値と比較して高い傾向にあるようです。女性活躍への積極的な取り組みは、業績に対しても良い影響を与えていると言えるのかもしれません。

「なでしこ銘柄」に選定されることでマーケットの注目を集め、メディアなどで紹介されれば広告効果も期待できます。さらに、女性の活躍に焦点を当てたファンドに組み入れられたり機関投資家の注目を集めたりすることが、株価の下支え要因にもなるでしょう。

また、なでしこ銘柄は毎年選ばれますので、女性活躍を推進している企業がハッキリ明らかになります。このような企業に株式市場の支持が高まれば、企業側もより取り組みを進化させる → 企業価値がいっそう高まる、という好循環も生まれます。



ESG投資という大きな流れ

「なでしこ銘柄」が注目されるようになった理由として、「ESG投資」という世界的な潮流があります。

ESGとは、環境(Environment)、社会(Social)、企業統治(Governance)の頭文字をとったもので、これらに配慮した取り組みを積極的に行っている企業に投資する「ESG投資」は、ヨーロッパの機関投資家を中心に急速に普及し、投資の基準のひとつとなっています。

世界最大の機関投資家である年金積立金管理運用独立行政法人もESG投資に本格的に乗り出し、また、経済産業省がESG重視企業を機関投資家に紹介する新制度も始まります。

こうした流れからも、「なでしこ銘柄」は今後さらに注目されることが予想されます。

なでしこに手を出す前に......

国と東証のお墨付きで、株価のパフォーマンスも業績も良く、しかも今後の潮流にも乗っているとなれば、当然「これは買いだ!」と思えてきます。

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