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NASAが宇宙人探査を本格再開、新たな計画も

ニューズウィーク日本版 / 2018年9月27日 20時0分

<NASAが注目するのは、宇宙から届く電波など高度な文明特有の「テクノシグネチャー(技術の痕跡)」だ>

今年、25年ぶりに地球外生命探査を本格再開したNASA(米航空宇宙局)は間もなく、エイリアン探しに最も有効な方法についてのワークショップを開催する。テーマは、高度な文明特有の「テクノシグネチャー(技術の痕跡)」だ。

電波を含むテクノシグネチャーは、銀河系のいたるところを飛び交っている。人類も、ラジオ放送が始まる100年以上前から、様々な電波を宇宙に発してきた。もしどこかの宇宙人がその電波を偶然に探知すれば、彼らが人類の存在を知る手掛かりになる。そう考えれば、知的生命探査のためにテクノロジーの痕跡を追うのは、理にかなっている。

銀河系には地球と同じ大きさの惑星が最大400億個、「ハビタブルゾーン」(水が蒸発も凍りもしない生存に適した領域)にあると見られる。しかも宇宙には1000億個もの銀河がひしめいている。知的生命が地球にしかいないと考えるほうが難しい。

だが宇宙人の発見には大きな問題が立ちはだかる。NASAはその解決に動き始めたのだ。

米議会もサポート

米議会にも予算の後押しを受けて、NASAは9月26~28日に米テキサス州ヒューストンでワークショップを開催する。テーマは、宇宙人の発見につながる「最も有望なテクノシグネチャーの研究」。優れた研究にはNASAも資金を出す。

テクノシグネチャーは一般に、通信信号の形で観測されることが多い。ラジオ波やレーザー光などもそうだ。近年は実際にそうした発見も続いて、関係者の期待は一気に高まった。1つの発見は、はるか彼方の宇宙空間から届く非常に強力な謎の電波信号「高速電波バースト(FRB)」だ。天文学者の観察で、2017年8月、そうした信号の1つが同じパターンの繰り返しであることがわかると、期待はさらに膨らんだ。自然現象なら、同じパターンの繰り返しはありえないからだ。

もう1つの発見は、「エイリアン・メガストラクチャー(宇宙人の巨大建造物)」として知られる謎の恒星「KIC8462852(別名タビーズ・スター)」だ。その光が何かに遮られるように小さくなる「減光現象」が観測されると、何らかの巨大な物体が横切ったのではないか、という想像が膨らんだ。地球外文明が、動力源として巨大な構造物を建設したのではないか......。

今では、いずれの発見も宇宙人とは関係なかったとみられてる。それでも人々の熱狂的な期待は冷めず、新たな可能性へとNASAや科学者の背中を押す。


NASAの発見の歴史



NASAは知的生命体の探索を再開することで、KIC8462852のような現象の謎を探ろうとしている。以下が、その声明だ。

「NASAは地球外生命体の兆候をまだ発見していないが、太陽系やさらにその先で探査活動を強化している。宇宙には私たちしかいないのか、という人類の問いに答えるためだ」

「われわれの科学的使命は、火星に存在する水を研究することから、木星の衛星エウロパや土星の衛星エンケラドスに広大な海が存在する可能性を探求すること、さらには宇宙にバイオシグニチャー(生命の痕跡)を探すことにいたるまで多岐にわたる。同時に、地球外生命が発する信号を探索する。その生命体はたぶん、人類以上に進歩した文明を持っているだろう」


(翻訳:河原里香)


ハナ・オズボーン

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