再始動した米朝ディールで非核化は進むのか
ニューズウィーク日本版 / 2018年10月17日 16時30分
中国と北朝鮮は、平和条約締結と米朝国交正常化の条件として、2万8500人の在韓米軍の撤退を要求するだろう――。アメリカの懐疑派はそう主張する。それはアメリカにとってディールの終わりを意味する。
だが、金がそんな要求に固執するとは限らないと、韓国政府は考えている。
実際、韓国の特使として訪朝した鄭義溶は、金が9月5日の会合でこの問題に直接触れたという。「(正式な)終戦宣言は米韓同盟の弱体化または(在韓米)軍の撤退とは全く関係がない。そうだろう?」と金は問い掛けたという。つまり、在韓米軍の撤退が必須条件ではないことを意味する。
米政府関係者がトランプの言動に神経質になっていることを、韓国政府は理解している。北朝鮮に関しては、「ビッグディール」をまとめようとするよりも、封じ込め政策と抑止政策に立ち返ったほうが「ずっとラク」であることも分かっている。
韓国政府の高官たちは、アメリカの外交関係者のコンセンサスも理解している。つまり、「金は父親と同じで、時間稼ぎをしているだけだ。交渉しているふりをして、あわよくば経済的な恩恵を得るつもりだ」というのだ。
その思い込みは間違っていると、韓国政府は考えている。そしてトランプは得意技を発揮するべきだと考えている。つまり、ディールをまとめることだ。
<本誌2018年10月16日号掲載>
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ビル・パウエル(本誌シニアライター)
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