日中首脳会談に望む──習近平は「一帯一路」で「宇宙支配」を狙っていることに気づいてほしい
ニューズウィーク日本版 / 2018年10月22日 14時0分
──「一帯一路」宇宙情報回廊の構築を完成させ、地球観測・通信放送・衛星ナビゲーションなどの人工衛星の研究開発、地上システムと応用システム、応用製品の開発などを通して、「一帯一路」沿線国を宇宙から支援する。
というものである。
「支援する」という言葉は響きがいい。しかし実際は「支援」「協力」の名の下に、宇宙空間に「唾を付ける」ことになる。
2022年からは正常に機能し始める「中国の宇宙ステーション」(天宮)を基地として、一帯一路沿線国の内の経済的にあまりゆとりのない国々に「手を差し伸べ」、人工衛星を打ち上げてあげたり、メインテナンスを代替してあげたりなどして、「宇宙の実効支配」に入るのである。
トランプはこのことを知っているので、対中強硬姿勢を取り、アメリカも「宇宙軍」を創設すべきと主張しているのである。日本の多くのメディアはトランプを「正常ではない」としてせせら笑う傾向にあるが、それは日本国民が中国の実態を知らないからだ。
夕刊フジ「風雲永田町」に二階幹事長の考え方が
今年10月20日付け(19日発行)の夕刊フジにある「風雲永田町」というコラムに鈴木棟一氏が、自民党二階幹事長が話した内容を書いておられる。それによれば二階氏は「昨年5月、安倍首相から『一帯一路』国際協力ハイレベルフォーラムに日本を代表して出席せよ、ということで、首相の(習近平宛ての)親書をお預かりして参加した」と述べたそうだ。
二階氏はさらに「一帯一路の運営においては、国際社会のルールや考え方を十分に取り入れていくことが大切であり、今後も慎重に見ていく必要がある」としながらも、「一帯一路は多様な地域を結びつけ、世界の安定と繁栄に大きく寄与する可能性を秘めている。目の前のチャンスがあれば、日本としても官民が一体となって積極的に参加していくことが望ましいのではないか」と積極的な評価を「一帯一路」に対して与えているとのこと。
安倍内閣は、習近平の「一帯一路」を通した「宇宙支配への狙い」をご存じないのだろうか。
ご存じだとすれば、このような危険な選択はしないだろうし、また、ご存じないとすれば、中国に協力の手を差し伸べることが、長い目で見れば、どれだけ日本国民の利益を大きく損ねるかに注目していただきたい。「目の前のチャンス」に目を奪われてはならないのではないだろうか。
トランプがINF全廃条約から離脱する真の狙いは中国か
トランプ米大統領は10月20日、旧ソ連との間で結ばれた中距離核戦力(INF)全廃条約からの離脱と、これに伴って新型核兵器の開発に着手する方針を表明した。
この記事に関連するニュース
-
習近平による「脱米外交」が加速 中小国の擁護者を目指す中国 世界に広がる反米感情も後押し
まいどなニュース / 2024年5月10日 20時0分
-
「もしトラ」へ備え?習近平氏「5年ぶり訪欧」の思惑 なぜフランス、セルビア、ハンガリーだったのか
東洋経済オンライン / 2024年5月10日 10時0分
-
習近平主席「セルビアとの相互信頼は岩のように堅固」 ベオグラード到着で談話発表
産経ニュース / 2024年5月8日 9時56分
-
習主席、セルビア訪問 NATO誤爆「忘れぬ」
共同通信 / 2024年5月8日 8時44分
-
<習近平主席訪仏>マクロン大統領と会談、中仏関係強化と新冷戦抑止で一致―セルビア、ハンガリーとも「一帯一路」推進で合意へ
Record China / 2024年5月7日 14時30分
ランキング
-
1イラン大統領、事故で死亡=不時着ヘリ発見
時事通信 / 2024年5月20日 13時39分
-
2アングル:「働いた証ない」、労働者の権利求めるメキシコのセックスワーカー
ロイター / 2024年5月20日 8時52分
-
3インドネシア 小型機が市街地に墜落 搭乗の3人死亡
TBS NEWS DIG Powered by JNN / 2024年5月20日 1時13分
-
4台湾総統に頼清徳氏就任、直接選挙で選ばれた5人目の総統に…副総統に米国の信頼厚い蕭美琴氏
読売新聞 / 2024年5月20日 10時42分
-
5台湾の頼総統、中国に軍事威嚇の停止呼びかけ 「世界平和への挑戦」
産経ニュース / 2024年5月20日 13時35分
複数ページをまたぐ記事です
記事の最終ページでミッション達成してください