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中米からの移民キャラバンを迎え撃つ?米軍部隊が国境へ

ニューズウィーク日本版 / 2018年10月30日 16時16分

<絶対に入国させないというトランプが派遣したのは、武装兵士を含む7200人。イスラム国相当作戦に匹敵する数だ>

中米からアメリカに向かっている移民キャラバンの入国を阻止するべく、米軍は最大で1万4000人の部隊を、メキシコと接する南部国境に配備する計画だ。うち7000人は、万が一に備えて24時間で待機する予備役部隊。

移民キャラバンの入国は決して許さないと警告してきたドナルド・トランプ米大統領の指示で、米国防総省は10月29日、キャラバンの到着に先駆けて最大で5200人の部隊を国境に派遣すると発表した。今回派遣されるのは「実際に武装」した部隊で、すでに国境に配備されている州兵2000人に合流すれば、合計で7200人となる。これは、イスラム国(IS)掃討作戦でイラクとシリアに投入された米軍兵士の数に匹敵する。

「忠実な愛国者作戦(Operation Faithful Patriot」と名付けられた今回の作戦について知る国防総省高官は本誌に対し、「現在配備されている部隊の兵力は5000~7000人。さらに7000人が24時間体制で待機している」と述べた。

本誌が入手した愛国者作戦の資料によると、「非機密、公用限定、LES」と記されている。LESとは、Law Enforcement Sensitive(法執行機密)の略。同資料によれば、ジェームズ・マティス国防長官ならびに統合軍司令官は、米軍が実弾を携えて国境に向かうことを承認したようだ。

かつてアメリカが踏みにじった国々

予備役部隊には、航空歩兵隊に加え、軍用犬や語学専門官も含まれている。

亡命希望者のキャラバンは、10月13日にホンジュラスの都市サンペドロスラを出発し、メキシコ南部のオアハカ州タパナテペクまで進んだ。その規模は、先週のピーク時は7000人だったが、最近では3500人と推定されている。一方で、小さい集団が少なくともあと2つ、ホンジュラスとエルサルバドルを出発し、メイングループに合流しようとしている。

中米三角地帯とも称されるエルサルバドル、グアテマラ、ホンジュラスの3カ国は、高い殺人発生率と厳しい経済状況に苦しんできた。1980年代以降は、米軍がホンジュラスを拠点に、隣国のエルサルバドル、グアテマラ、ニカラグアで繰り広げられる反共運動を支援。それがひとつの原因となって内戦が激化し、中米の不安定化につながった。

しかしトランプは、不法移民に対して強硬姿勢で臨むと明言。証拠もないまま、キャラバンには多くのギャングメンバーや無数の中東出身者が紛れ込んでいると主張している。キャラバンに対しても、国境に到着すれば「軍隊が待ち受けている」と警告している。

(翻訳:ガリレオ)

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ジェームズ・ラポルタ、トム・オコーナー

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