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「ユダヤ人が銃を持っていればホロコーストは起きなかった」──銃所持擁護団体

ニューズウィーク日本版 / 2018年10月31日 17時0分

<米ピッツバーグのユダヤ人乱射事件の後、トランプ米大統領は「施設が武装していれば、こういう結果にはならなかった」と言った。勢いづいた銃規制反対派は、反ユダヤ主義を唱え始めた>

米ピッツバーグでのユダヤ教礼拝所襲撃の衝撃も冷めやらないなか、銃所持を支持する団体が「人々が武装していればホロコーストは起きなかった」という趣旨の発言をし、ユダヤ人と銃規制派の猛反発を招いている。

オレゴン州で「州唯一の、妥協なき銃所持権の擁護団体」を名乗る銃所持推進団体「オレゴン州銃器連盟(OFF)」は、ウェブサイト上にホロコーストの写真を掲載し、ユダヤ教のラビ、マイケル・カハナを批判した。

カハナは、オレゴン州における銃規制法案のまとめ役。一時は、2018年の住民投票にはかけられる予定だった。

OFFの文章には、こう書かれている。「このページは、マイケル・カハナ『ラビ』に捧げる。ユダヤ教のラビであり、IP43法案の請願責任者である人物だ。IP43が住民投票で可決されれば、法を遵守するオレゴン州民の所持する銃器や弾倉が没収されることになる」

「もしカハナやその支持者たちの好きにさせたら、最新の銃を持つ人は誰であれ、10年間の拘禁刑に直面することになる。カハナが望んでいるのは、州が独占的に武力を握ることだ。どうやら、ユダヤ教学校ではもはや歴史を教えていないようだ。我々は既に、この光景を目にしたというのに」。そのあとに、ホロコーストの写真が掲載されている。

人々が武装を解いたらどうなるか

ユダヤ人が銃で武装していたらホロコーストは起きなかったという意味かと尋ねると、OFFのケビン・スターレット理事は本誌に対してこう答えた。「人々が撃ち返していたら、『水晶の夜(一夜の反ユダヤ主義暴動)』が夜通し続くことはなかっただろう。簡単な話だ」

「ラビは、同胞たち(そしてほかのあらゆる人たち)から武器を取り上げることを求め、州に権力を独占させようとしている。そんなことをしたらどうなるかを人々に思い出させている」

銃規制を支持する団体「撃つのを止めよ、オレゴン」ペニー・オカモト事務局長は、「第二次大戦中にユダヤ人が標的になったのは、彼らが銃を持っていなかったからではなく、コミュニティの指導者や政府のスケープゴートに使われ、憎悪が是認されたからだ」と言う。「銃があれば反ユダヤ主義的行動を防げたと言うともっともらしいが、銃こそが悪への対抗策だという神話を存続させるだけだ」

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