北朝鮮のミサイル基地13カ所を特定、それでもトランプが「もはや核の脅威はない」と言い張る危険
ニューズウィーク日本版 / 2018年11月13日 13時50分
チャはニューヨーク・タイムズに対してこう語っている。「これらの基地が凍結されている様子はない。作業は続いている。誰もが危惧しているのは、トランプが金正恩の口車に乗って危険な取引に応じるのではないかということだ。つまり北朝鮮側が実験場1カ所を差し出し、そのほか幾つか廃棄しただけで、(非核化が前提のはずの)平和協定に応じてしまうのではないか、ということだ」
それでもトランプは「勝利を宣言し、自分は歴代の米大統領の誰よりも多くの成果を達成したと主張するだろう。その一方で脅威は変わらずに残ることになるだろう」と彼は指摘した。
米国務省はニューヨーク・タイムズに対して、大統領は「金委員長が完全な非核化や弾道ミサイル開発計画の廃棄などの約束を守れば、北朝鮮と国民にとって今よりずっと明るい未来が待っている」と確信しているとコメントした。
だがトランプが金との親密な関係をアピールしているにもかかわらず、北朝鮮は6月の米朝首脳会談で「合意された」非核化に向けた一歩を踏み出していない。核関連施設や保有する兵器、製造施設やミサイル基地の申告にも至っていないのだ。
また11月8日には、対米交渉を主導している金英哲(朝鮮労働党中央委員会副委員長)がニューヨークを訪れマイク・ポンペオ米国務長官と次の米朝首脳会談について協議する予定だったものの、北朝鮮側はこれを延期した。
こうしたなか、弾道ミサイルの開発は続けられている。報告書の共著者であるジョセフ・バーミューデスはこう指摘している。「北朝鮮はとてつもない労力を費やして、ミサイル関連施設を山間の各地に点在させる形で建設してきた。(これらの施設を)温存するためには、きわめて理にかなったやり方だ」
(翻訳:森美歩)
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デービッド・ブレナン
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