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観光復興を目指すシリアの光と影

ニューズウィーク日本版 / 2018年11月21日 19時15分

シリア難民の中にはアサド政権が居座っている限り、祖国には戻りたくないと思っている人たちも多い。

「現政権は信用できない」と言い切るのは、母国で投獄され拷問を受け、国外に逃れた活動家のジュード・アシュだ。「彼らが正常化や和平合意を唱えても、説得力を持たない」



米国務省はシリア渡航に関する勧告で今なお「テロ、社会的混乱、武力衝突」が続いているため、あらゆる旅行を控えるよう警告。英政府もシリアの状況は「極めて不安定で危険だ」と述べ、国民に注意を呼び掛けている(編集部注:日本政府もレベル4の「退避勧告」を解除していない)。

それでもゼインによると、シリア政府は入国管理手続きで優先するなど、非アラブ系外国人の観光誘致に力を入れているようだ。隣国レバノン人はビザなしでも入国できるという。

ゼインは、人々に出会うだけでもシリアに旅する価値はあると話す。「何を差し置いてもダマスカスの市民は素朴で親切。寛大で情が深い」

皮肉にもこの国の最も魅力的な「観光資源」は、アサド政権が後生大事に守っていた文化財ではなく、化学兵器の標的にした市井の人々かもしれない。

<本誌2018年11月20日号掲載>



※11月20日号(11月13日売り)は「ここまで来た AI医療」特集。長い待ち時間や誤診、莫大なコストといった、病院や診療に付きまとう問題を飛躍的に解消する「切り札」として人工知能に注目が集まっている。患者を救い、医療費は激減。医療の未来はもうここまで来ている。


ジェイソン・レモン


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