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クリエイティブな仕事をするのに素質は要らない

ニューズウィーク日本版 / 2018年12月5日 16時0分

平凡な人がクリエイティビティを身につけるには、自分の脳内にいる司書を鍛えればいい、ということになるが、そのためにはまず「拡散的思考」、つまり思考を広げる必要がある。この時に重要なのが、判断を保留することと、量を追求することだ。



本書には「拡散的思考」と「収束的思考」について図を使って解説するページも。「独創的なアイデアは、真ん中に居座った平凡なアイデアに押されて端のほうにいる。真に独創的なアイデアを思いつくためには、誰もが提案するようなアイデアから無理にでも離れてみなければならない」(『「ひらめき」はこう生まれる――クリエイティブ思考ワークブック』74~75ページより)

自由な発想ができない人は、何か思いつく度に「無理だ」「それは違う」などと言って思考を止めてしまう。それでは突飛なアイデアなど生まれるはずもない。もちろん、つながりを生み出すことや目新しさを追い求めることも忘れてはならないが、やはり量を出してこそ最良にたどり着けるのだ。

だが、ひたすら広げるだけでは一向に解決策は見出せない。そこで必要になるのが「収束的思考」だ。的外れなアイデアを排除し、少数の適切なアイデアだけに集中する。ポイントは、肯定的であること、客観性をチェックすること、よく考えたうえで選ぶこと、そして当然、目新しさをなくさないこと。

つながりを見つけ、ひらめきを生むための「ブートキャンプ」

どんなにクリエイティブな人も、やはり何もないところから独創的なアイデアを思いつくわけではない。たとえ本人は意識していなくても、脳内では絶えず、あらゆるもの同士をつなぎ合わせ、それによって次から次へとアイデアが生まれては消えている。

「つながりを見つける」というスキルは、決して一部の人だけが持つ特殊能力ではない。誰でも身につけ、高めることができる。いずれ計算能力と同じくらい、誰でも最低限は備えておくべきスキルとなる日が来るかもしれない(そう遠くない未来に)。

だが、だからこそ自分とは関係がないふりをしたくなる人もいるだろう。本書は、そんな人のための「ブートキャンプ」だ。クリエイティビティへの反射神経を研ぎ澄まし、自信を高めるためのエクササイズとツールを体験できるようになっている。

もし脳内に司書の存在を感じているなら、筋トレのつもりで少しずつ鍛えてみてはどうだろうか。ひょっとすると、思いがけない自分に出会うことになるかもしれない。著者のひとり、サラ・サーバーもこう言っている----「思いこみを打破することこそがクリエイティビティなのだ」。


『「ひらめき」はこう生まれる――クリエイティブ思考ワークブック』
  ドルテ・ニールセン、サラ・サーバー 著
  岩崎晋也 訳
  CCCメディアハウス



ニューズウィーク日本版ウェブ編集部


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