自我のあるラブドールは作れる、だが人間は創造主になれるのか
ニューズウィーク日本版 / 2018年12月5日 17時30分
最近、出会いを求める人々は、デート・アプリで自分の特性を宣伝し、見込みのありそうな相手を物色して、なかなか得られない「完璧なパートナー」を探している。こうした出会い仲介ビジネスは、個人の需要に合わせることができ、意識のあるセックスボットが登場する前触れのような現象だと、マッケンジーは言う。
人が完璧なパートナーと思われるものを開発したとしたら、そこには「葛藤」が生じるだろう。それは、健康的でロマンチックな関係における愛と親密さは搾取的であってはならず、対等なパートナー関係という基盤の上に構築されるものだという考えと対立するからだ。
「創造者としての人間は、創造した知的存在の利益を守り、苦しみを最小化する義務がある。技術の先走りで問題が起きる前に、倫理的、法的および設計上の規制を確立するべきだ」と、マッケンジーは説く。
「人間以外の知的な存在、特に人間が創造したものに対していかに対処するか。これはきわめて奥の深い課題だ」と、彼女は指摘する。「セックスボットをはじめ、自我と意識のある存在をいかにして設計するのか、そして誕生した存在を、人間はどう扱うのか」
(翻訳:栗原紀子)
カシュミラ・ガンダー
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