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突然の戒厳令に走ったウクライナ大統領の真意

ニューズウィーク日本版 / 2018年12月8日 14時0分



14年から15年にかけてのロシア系武装勢力との熾烈な内戦のさなかにも、ウクライナは戒厳令を出していない。クラークソンは「(今回も)戒厳令が軍事的に必要だったとは思えない」と言う。「アメリカやEUに事態の深刻さを伝え、ウクライナの決意をロシアに示す手段という位置付けではないか」

いずれにせよ、戒厳令のために大統領選を延期する必要はなさそうだ。ポロシェンコは一貫して、かつての支配者ロシアから祖国を守れるのは自分しかいないと強調してきた。キエフの街を飾るポロシェンコ陣営の選挙ポスターには「軍! 言語! 信仰!」といった文字が並び、ロシア勢との戦いやウクライナ語の公用語化で愛国心をあおり、ロシア正教会の影響下にあったウクライナ正教会を独立に導いた彼の功績を誇示している。

要するにポロシェンコは、今は戒厳令が必要なほどの非常事態だと訴えたいのだろう。つまり、象徴としての戒厳令だ。

From Foreign Policy Magazine

<本誌2018年12月11日号掲載>



※12月11日号(12月4日発売)は「移民の歌」特集。日本はさらなる外国人労働者を受け入れるべきか? 受け入れ拡大をめぐって国会が紛糾するなか、日本の移民事情について取材を続け発信してきた望月優大氏がルポを寄稿。永住者、失踪者、労働者――今ここに確かに存在する「移民」たちのリアルを追った。


マイケル・コルボーン


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