ロシアは「国際手配書」で、インターポールを私物化する
ニューズウィーク日本版 / 2018年12月15日 14時45分
一方、ヘルナーディは赤手配書のせいでハンガリーを出国するのが危険な状態だ。これはまさに、インターポールの名を借りたマフィアの振る舞いではないか。ロシアのメッセージは明らか。バルカン諸国、さらに東欧全域は、ことエネルギーに関してはロシアの裏庭である、というわけだ。
ヘルナーディのような投資家への迫害が、EUに実害を及ぼすのも時間の問題だ。インターポールのロシア窓口を通じてばかげた指名手配を受ける恐れのある国で、投資やビジネスのリスクを負う者などいるだろうか。
総裁が誰になろうが、インターポールが今後もプーチンの手先として働くのなら、民主主義諸国は一時脱退も検討すべきだ。あるいは、G8のようにロシアを追放すべきかもしれない。
過激な主張に聞こえるだろう。だが、EUのエネルギー安全保障に静かなクーデターを仕掛けるべくロシアが国際警察機関を利用することのほうが、はるかにひどい事態だ。
<本誌2018年12月18日号掲載>
※12月18日号(12月11日発売)は「間違いだらけのAI論」特集。AI信奉者が陥るソロー・パラドックスの罠とは何か。私たちは過大評価と盲信で人工知能の「爆発点」を見失っていないか。「期待」と「現実」の間にミスマッチはないか。来るべきAI格差社会を生き残るための知恵をレポートする。
カムラン・ボカリ(安全保障、外交専門家)
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