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米朝核交渉を頓挫させる、北朝鮮のある「誤解」

ニューズウィーク日本版 / 2019年1月12日 14時30分

皮肉な話だが、米国務省内にも当面は信頼関係の構築を優先すべきだという北朝鮮の見解に賛同する声は少なくない。彼らは本心では、2021年までに北朝鮮の非核化を実現するというトランプ政権の公の立場を無謀な目標と考えている。

まずは米朝の実務者レベルやIAEA(国際原子力機関)などの個人的な接触から始め、信頼を積み重ねることで、北朝鮮の核関連施設におけるIAEAの核安全基準の適用を模索する。北朝鮮が非核化に向けた具体的なステップに踏み出す見返りとして、早い時期に韓国から北朝鮮への資金の一部流入を認める。そして、韓国国内の核兵器保有に対する北朝鮮の懸念を和らげる方策を探る――。

多くの北朝鮮ウオッチャーは、アメリカが北朝鮮の非核化を本気で実現させたいのであれば、こうした段階を踏むことが必要だと考えている。

しかし今のところ、現実には正反対の結末――北朝鮮が対話に背を向け、トランプと金の首脳会談が単なるスタンドプレーだったことが露呈する――が待ち受けている可能性が高い。

<本誌2019年01月15日号掲載>



※2019年1月15日号(1月8日発売)は「世界経済2019:2つの危機」特集。「米中対立」「欧州問題」という2大リスクの深刻度は? 「独り勝ち」アメリカの株価乱降下が意味するものは? 急激な潮目の変化で不安感が広がる世界経済を多角的に分析する。


ビル・パウエル(本誌シニアライター)


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