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竹田JOC会長聴取、「司法による報復」はあり得るのか

ニューズウィーク日本版 / 2019年1月24日 17時40分



今回の竹田会長の予審手続き開始は、14年のドイツ公共放送連盟のスクープに端を発するスポーツ業界における「ドーピングと贈収賄」疑惑追及の潮流に乗ったものだ。リオ五輪ルートの後、東京五輪ルートの疑惑追及が本格化されるのは明白だった。予審判事の名前が「ルノー」だったのと同じく、ゴーン事件とタイミングが一緒になったのは偶然というべきだろう。

今回のケースは偶然だが

しかし、司法を使った国家による報復という見方が出ること自体が、ポピュリズム時代において司法の在り方が変質しつつあることを表している。司法による政治・世論・国益への自律的な配慮が、忖度またはおもねりだと言い換えられてしまうと、司法はその役割を適切に果たすことができないだろう。

リアルタイムに利害関係の調整を行いながら国益を追求する政府の政治判断からあえて一歩引き、公平性と少数派の人権を尊重しながら、独立して公正な判断を行うことによって法益を守るのが司法府の本来的な役割だ。いかにして司法をポピュリズムから守るか。われわれはこの課題に対する答えを見いだすことができるのだろうか。

<本誌2018年01月29日号掲載>



※2019年1月29日号(1月22日発売)は「世界はこう見る:日韓不信」特集。徴用工、慰安婦、旭日旗、レーダー照射......。「互いを利してこそ日韓の国力は強まる」という元CIA諜報員の提言から、両国をよく知る在日韓国人の政治学者による分析、韓国人専門家がインタビューで語った問題解決の糸口、対立悪化に対する中国の本音まで、果てしなく争う日韓関係への「処方箋」を探る。


北島 純(経営倫理実践研究センター主任研究員)


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