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ベネズエラ難民の支援で試される世界の良心

ニューズウィーク日本版 / 2019年2月2日 14時40分



私の母国ブラジルなど一部の国々は、世界中の6800万人の難民・国内避難民への対応に関する国連の枠組み「難民に関するグローバル・コンパクト」からの脱退も辞さない考えを表明している。南米諸国は国際的な援助国と同様、ベネズエラの危機が大惨事に広がらないよう支援を拡大すべきだろう。

米上院では、アメリカに避難してきたベネズエラ人に一時保護資格(TPS)を適用する法案が超党派で提出された(TPSはアメリカにいるシリア、イエメンなどの出身者にも適用されている)。私たちの倫理と人道的な義務の表れとしては希望が持てる政策だ。

私は、コロンビアの人々が困窮したベネズエラ人を歓迎するのを目の当たりにした。手を広げて迎え入れ、家を提供し、仕事を世話する人々がいた。IRCのスタッフの1人は「私はコロンビア人だけれど、心はベネズエラ人と共にある」と言った。

難民を支援することで試されるのは、私たちの政策と人間性だ。私が出会った避難民は、私に心を開いてくれた。あるベネズエラ人の母親は「夢は決して失われない」と話してくれた。

一歩ずつ、少しずつでいい。ベネズエラの危機を解決し、彼らの夢が決して失われないよう、私たち一人一人にやれることは確実にある。

(筆者はブラジル系アメリカ人女優。ドラマ『ホームランド』や映画『デッドプール』に出演した)

<本誌2019年02月05日号掲載>



※2019年2月5日号(1月29日発売)は「米中激突:テクノナショナリズムの脅威」特集。技術力でアメリカを凌駕する中国にトランプは関税で対抗するが、それは誤りではないか。貿易から軍事へと拡大する米中新冷戦の勝者は――。米中激突の深層を読み解く。


モリーナ・バッカリン(女優・国際救済委員会親善大使)


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