核軍縮の枠組みをぶち壊すアメリカ
ニューズウィーク日本版 / 2019年2月5日 16時34分
プーチン大統領の報道官であるドミトリー・ペスコフはその前の週、米政府は条約の交渉に関心がないようだと指摘していた。タス通信によればペスコフは、「アメリカ側はいかなる主張にも耳を傾けようとせず、いかなる実のある交渉も行う気がない。このことは、米政府による条約破棄の決断がずっと前に行われていたことを示唆している」と記者団に語った。
ニューヨーク・タイムズ紙によれば、INF全廃条約から離脱を発表する一方で、アメリカは1991年以来はじめて長距離核兵器の製造に着手している。ほかの複数の核保有国からは、INF全廃条約からの離脱決定の裏には、アメリカが軍備増強を正当化する狙いがあるという声も上がっている。
こうしたなかイランとロシアのメディアは、ロシア政府はトランプ政権によるINF全廃条約からの離脱に対抗して、中国、北朝鮮、イラン、パキスタンとインドとの間で核に関する新たな協定の締結を目指すつもりだと報じた。
イランの国営イスラム共和国通信の報道によれば、ロシア下院国防委員会のウラジーミル・シャマノフ委員長はこう語った。「アメリカがそういうつもりなら、ロシアは今後、ほかの複数の国と核ミサイルの拡散防止メカニズムを築くことを目指していく」
(翻訳:森美歩)
ジェイソン・レモン
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