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【写真特集】日本に暮らす普段着のムスリム

ニューズウィーク日本版 / 2019年2月7日 17時40分

しかし最近、ムスリムについて理解しようとするなら、イスラム教徒という側面だけを見ないほうがよいのではないか、と思い始めている。宗教的アイデンティティーに目を向け過ぎると、ムスリムであるが故に直面する問題や、非ムスリムとの違いにばかり目が行きがちになる。

彼らは常に問題を抱えているわけでも、周囲から配慮される側にばかり立っているわけでもない。それは東日本大震災などの際、ムスリムが積極的に被災者支援のボランティア活動に乗り出したことからも見て取れる。

また、どんなに熱心なムスリムでも起きている時間の大半を礼拝に費やすわけではない。彼らはムスリムであると同時に親であり子であり、同僚・同級生であり隣人である。

彼らの日常は、私や多くの読者のような非ムスリムとさして変わらない。彼らの「普段着」の姿を知ることで、彼らを「ムスリム」とひとくくりにするのではなく、さまざまな個性を持つ一人一人の人間として見ることができるのではないだろうか。

―佐藤兼永(フォトジャーナリスト)


自宅のベランダで洗濯物を干す小椋バルジ―ス。彼女の夫、真悟は母親がムスリムであるパキスタン人と再婚したのを機に、小学生の時に自ら改宗した。日本人と外国人ムスリムの間の結婚において、女性が外国人であるケースは比較的少ない。その中でも、日本人男性と結婚してパキスタン人女性が日本に暮らすというのは、日本のムスリム人口が増加した今でも珍しいケースだ


家族とピクニックを楽しむスリランカ人のモハメド・ヌーマンは14歳の時に父親の仕事の都合で来日し日本で育った

栃木県足利市のモスクの洗い場で髪をセットするモハマド・アウェース浩気ら日本で生まれ育った若いムスリムの中には、日本文化になじんだ形でイスラム教を実践する人々もいる


お昼休みに職場の更衣室で礼拝をするインドネシア人のデディ・サプルディン(左端)。トラックの整備をする彼は、同じ整備士として同僚との仲間意識を感じる一方、忘年会や飲み会などのお酒が出る場や、職場で礼拝をする時には自分がムスリムであることを意識するとも言う


ママ友や長女と、次男のサッカーの練習を見守るサバンマ真由美(左)。イスラム教に入信してから信仰にのめり込む時期もあったが、ムスリム以外との付き合いも大切だと思うようになった


取引先にお歳暮を渡すパキスタン人のチーマ・アルシャドは茨城県日立市で中古車販売店を営む


埼玉県の公立小学校の給食の時間にイスラム教の教義に沿った弁当を持参して食べる大久保泰(左端)

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