アップル失速は中国経済減衰のせいなのか?
ニューズウィーク日本版 / 2019年2月8日 15時0分
日本の報道ではアップル失速を中国経済減速のせいにする傾向が強いが、中国でのスマホの売れ行きを見ると中国国産スマホが魅力的でiPhone離れが加速しただけだ。結果中国需要に頼った日本企業が影響を受ける。
春節前の中国国内におけるスマホの売れ行きランキング
中関村オンラインZOL(Zhong-guan-cun OnLine)が調査した今年1月27日のデータによれば、中国におけるスマホの人気ランキング(売れ筋ランキング)は以下のようになっている(華為はHuawei。ZOLの表現に従う。金額の単位は元。1元=16.27円)。
1.華為nova4(標準スペック) ¥3,099
2.vivoNEX(デュアルスクリーン)¥4,998
3.OPPO R17Pro(6GB RAM) ¥3,999
4.一加(One Plus)6T(6GB RAM)¥3,399
5.栄耀(Honor)V20(6GB RAM)¥2,999
6.Apple(iPhone XR) ¥5,699
7.華為 Mate20 Pro(6GB RAM) ¥5,399
8.華為 Mate 20 ¥3,999
9.Apple(iPhone XS Max) ¥9,599
10.Apple (iPhone XS) ¥8,699
すべてが、全網通という、中国の3大通信メガグループ(中国電信・中国聯通・中国移動)に対応できる機種だ。Apple以外は何れも中国の企業である。
華為とvivo(ビーボ)は1位と2位を争っており、ときどき両者の順位が逆転することがある。
それにしても、春節(2月5日)前とはいえ、トップ10にAppleが3機種も入っているのは、なかなかのものだと言える。おそらく華為の創始者・任正非氏が、1月21日に、「華為のためにAppleを排除することはしないでくれ。華為のためでなく、国家のために行動してほしい」という声明を出していたことが影響しているのかもしれない。
ただ、Appleは、中国のスマホメーカーが次々と新しい機能を搭載しながら安価な機種を出しているのに対して、機能的には何も目新しいものがないまま、価格だけは高いので、トップ10の中でも後半の6位以下にしか入っていない。なんといってもトップは華為かvivoで、OPPOが2位か3位に就くなど、次に迫っている状況はあまり変わらない。
中国製のスマホは電池の容量が大きい割に重くはなく、1回の充電で140時間は使えるなど、多くの強みを持っている割に、価格は9位や10位のAppleの半額前後だ。上位に来ているのも当然だろう。
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