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人気チャットアプリ「Discord」、小児性愛コンテンツも野放しの衝撃

ニューズウィーク日本版 / 2019年2月8日 18時0分

2019年1月下旬、ディスコードのユーザーが米ニュースサイト「レディット」のサブフォーラムである「サブレディット」上に、TinyFeexというハンドルネームで知られるディスコードの管理者とやり取りした際のメールの内容を転載した。その中でTinyFeexは、「カブ」関連のコンテンツは利用規約に違反しないと書いた。「カブ」は、擬人化された動物のキャラクターを好む「ファーリー」のコミュニティにおいて未成年のメンバーを指し、「カブ・プレイ」はカブとの性行為を表す際に使われる。ディスコードのユーザーたちが管理者のメールのコメントを非難すると、すぐにサブレディットの管理者が投稿を削除し、ディスコードの安全向上協議会のkarrdianというモデレーターによる回答を掲載した。

「『カブ』と『ロリ』には重複する部分がある」とkarrdianは書いた。「『カブ』の描写にも、全く人間っぽくないものもあれば、架空の生物に見えるものもある。そうしたコンテンツはかなりグレーゾーンにあり、一概に全面禁止にはしていない」



ファーリーとディスコード

ユーザーたちはディスコードの利用規約の担当チームとのやり取りをシェアし始めた。ツイッター・ユーザーMrTempestilenceは2月3日、ズーフィリア(動物性愛)が動物ポルノを投稿していることやモデレーターが「カブ・プレイ」を許容していることなど、ディスコードに対する非難の内容を詳細に投稿。そのツイートが拡散を始めた直後、ディスコードの「ゲイ、ズー、ファーリー」コミュニティは削除された。

「最初はディスコードのスタッフがどれほどひどいかを単にからかうつもりだった。でもスレッドで追加情報を投稿し始めた時、事の重要さに気付いた」と、MrTempestSilenceは本誌に語った。「ディスコードのスタッフがどれほど有害か、みんなが知る必要がある。自分はそれを知らせることができた」

そのツイートは8000人超から「いいね」を集めた。翌2月4日には、フリーランス・ジャーナリストのニック・モンローが、ディスコードの利用規約を担当するモデレーターとファーリーのコミュニティの間の結び付きについて追及を始めた。「スレッドを読めば自ずと実態は明らかだった」と、モンローは本誌に語った。「あのスレッドを読んだ誰の目にも、ディスコードの安全向上協議会の対応は異常だった」

ツイッターのハッシュタグ「#ChangeDiscord」はソーシャルメディアで広まり、モデレーターとの過去のやり取りをシェアするユーザーがさらに増えた。モンローとMrTempestSilenceは、ディスコードの利用規約を担当するモデレーターでファーリーであると見られるallthefoxesが、自分の気に入ったコミュニティが削除されないようにする「カブ」の特例を最初に生み出した人物だと主張した(ディスコードの広報担当者はそれについて返答しなかった)。

ディスコードは本誌の質問にこう回答した。「当社は利用規約とコミュニティガイドラインを定めており、すべてのコミュニティとユーザーが遵守する必要がある。それらは特に嫌がらせや脅迫のメッセージ、暴力の呼びかけ、またはあらゆる違法活動を禁止し、さらにドクシング(個人情報の漏洩)など他社のプラットフォームより広範な行為をカバーする内容になっている。われわれはユーザーの私的なメッセージを読まないが、サーバーやユーザーから違反に関する通報を受ければ捜査し直ちに対処する。その際はサーバーを閉鎖するかユーザーを追放することもあり得る」

ソーシャルメディアのモデレーターは難しい仕事だが、プラットフォーム企業の存続には必要不可欠だ。もし自分は不当な理由で追放された、あるいは他人の便宜のためにルールがねじ曲げられたと感じれば、ユーザーは他社に逃げるかもしれない。

(翻訳:河原里香)




スティーブン・アサーク


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