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プラスチック汚染の元凶「人魚の涙」を知っていますか?

ニューズウィーク日本版 / 2019年2月19日 14時27分

だが幸運なことに、ナードルとナードルが海洋汚染に及ぼす影響についての啓発活動を行う組織は複数ある。フィドラ(スコットランドを拠点に環境問題に取り組む慈善団体)と英海洋保護協会が立ち上げたプログラム「ザ・グレート・グローバル・ナードル・ハント」は、人々に「市民科学者」になって世界各地にどれだけのナードルがあるかデータ収集を行うよう呼びかけている。


「ナードル・ハント」のフェイスブック投稿


データ収集は流出ナードルの主たる発生源を特定するのに役立ち、問題に対処することも可能になる。自然環境に存在するナードルはあまりに多く、その情報を収集するには大勢の人手が必要だ。「ナードル・ハント」の活動は毎年2月に10日間にわたって展開される。

市民科学者たちが見つけたナードル汚染の場所と規模は、サイトの地図上に表示される。2012年以降、市民科学者たちが調査を行ったビーチは6大陸18カ国の計1610カ所にのぼり、活動には60を超える組織も携わっている。

内陸の土壌も汚染する

スタッフォードシャー大学マイクロプラスチック・法医学用化学繊維研究グループでは2019年にこの活動に参加して、リバプールのハイタウン・ビーチにどれだけのナードルがあるかを調査した。その結果、1平方メートルあたり平均139.8個のナードルがあると推定された。およそ約1キロに及ぶ満潮時の海岸線に、約14万個のナードルが存在する計算になる。

市民科学者になって地元のビーチでナードルのデータ収集を行いたいという人に役立つヒントを幾つかご紹介しよう。オンラインのナードル識別ガイドを確認し、ポリスチレン粒やBB弾、化石などをナードルと間違えないようにしておくといい。


事故でこぼしてしまったナードルを近隣住民が草をかき分けて除去しようとするが


ビーチで調査をする際は、海草やその他の海洋堆積物をチェックしよう――これらは大きな「ナードル捕獲網」のような役割を果たしている。データを収集し終わったら、その結果を専門機関に提出して、汚染対策に役立てられるようにしよう。

ナードルは海だけでなく、川や湖、水から離れた内陸も含めて多くの環境で発見されている。私が働くスタッフォードシャー大学のキャンパスの土壌からも発見された。だからナードルを探しに行こう――ただし手袋をお忘れなく。

(翻訳:森美歩)

Claire Gwinnett, Associate Professor in Forensic and Crime Science, Staffordshire University

This article is republished from The Conversation under a Creative Commons license. Read the original article.



クレア・グウィネット(英スタッフォードシャー大学准教授)


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