宇宙を「新たな戦闘領域」とする米宇宙軍の脅威
ニューズウィーク日本版 / 2019年2月21日 16時30分
一方で、アメリカは宇宙兵器開発で出遅れているとして、トランプの構想を支持する声もある。中国とロシアは宇宙空間で軍事的優位に立とうと、アメリカの衛星を攻撃できるレーザー兵器などの開発を進めており、うかうかしていれば劣勢に追い込まれる、というのだ。
ただ、宇宙軍の創設には議会の承認が必要だ。トランプは当初、米軍の他の部門と「別個の、対等な」宇宙軍の創設を構想していたが、共和党議員や国防総省が、既に宇宙活動を担当している空軍の下に設置すべきだと助言し、トランプもそれを呑んだ。
空軍は公式サイトで、われわれは「空域、宇宙、サイバー空間における世界でも傑出した軍隊」であると述べ、「世界最大の宇宙計画」に参加する空軍兵士は、「人工衛星の追尾からロケット打ち上げの支援まで、あらゆる活動を担うチームの一員」であると宣言している。
宇宙軍の創設に必要な予算については、トランプ政権はまだ明らかにしていないが、トランプが3月に議会に示す2020会計年度の予算教書には盛り込まれるはずだ。
※2019年2月26日号(2月19日発売)は「沖縄ラプソディ/Okinawan Rhapsody」特集。基地をめぐる県民投票を前に、この島に生きる人たちの息遣いとささやきに耳をすませる――。ノンフィクションライターの石戸諭氏が15ページの長編ルポを寄稿。沖縄で聴こえてきたのは、自由で多層な狂詩曲だった。
シャンタル・ダシルバ
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