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「家族がトランプに脅されている」議会証言のコーエン元弁護士

ニューズウィーク日本版 / 2019年2月28日 14時56分

<アメリカでは米朝首脳会談より注目されたコーエンは、証言でトランプを「ペテン師の人種差別主義者」と呼び、報復が怖いと言った>

「私はトランプの報復を恐れている」──2月27日に米連邦議会の公聴会で証言を行ったドナルド・トランプ米大統領のマイケル・コーエンは議員の質問に答えてそう語った。

10年余りトランプの顧問弁護士を務め、「弾よけ」にもなると公言するコワモテの腹心だったコーエンは、下院監視・政府改革委員会の公聴会に出席。トランプは「ペテン師の人種差別主義者」だと述べるなど、トランプがハノイで同時進行中の米朝首脳会談で目指す「外交上の大手柄」が吹き飛びかねない証言をした。

この公聴会は当初、2月7日に開かれる予定だったが、コーエンの家族に対する脅迫が続いたために延期せざるを得なかったという。コーエンによれば、圧力をかけたのはトランプと現在トランプの顧問弁護士を務めるルドルフ・ジュリアーニ元ニューヨーク市長だ。

証言延期の時点で、コーエンの弁護士ラニー・デービスは声明で「コーエン氏は家族とその安全を優先すべきだと判断した」と説明したが、トランプは記者会見でコーエンを脅したか聞かれて、「彼が恐れているのは真実だ。真実のみが彼を震え上がらせる」と答えていた。

27日の公聴会でブレンダ・ローレンス下院議員が「大統領はあなたにどんな危害を加えられると思うか」と質問すると、コーエンは次のように答えた。

「いろいろある。トランプだけではない。彼や彼の支持者も脅威だ......レストランに行くときや、どこかに出掛けるとき、妻とは並んで歩かない。子供たちともだ。家族を先に行かせる。彼らの身に何が起きるか分からないからだ」

6000万人のトランプフォロワーは脅威

コーエンによれば、フェイスブックやツイッター上では、トランプ支持者が寄ってたかって自分を誹謗中傷している。トランプがツイッターでコーエンを「軟弱男」、嘘つきなどとののしっているからだ。

「ソーシャルメディアで6000万人超のフォロワーがいれば、そのうちの誰かが行動を起こすように仕向けるのは簡単だ。しかもトランプはニューヨークの五番街で人を撃ち殺しても、支持者が減ることはないと豪語したことがある。何をされるか気が気ではない」

コーエンがソーシャルメディアで受け取ったメッセージには、「あり得ないほど下劣でおぞましい内容なのでシークレットサービスに提出した」ものもあるという。

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