【動画】サメを虐待した金持ち息子に軽すぎる刑
ニューズウィーク日本版 / 2019年3月1日 17時15分
<男は、この犯罪行為を自慢気に拡散して捕まった>
サメを高速ボートで引きずり回し、ソーシャルメディアで動画を見たアメリカ人を激怒させた米フロリダ州のマイケル・ウェンゼル(22)が、10日間服役することになった。さらに11カ月の保護観察処分と、100時間の社会奉仕活動を命じられた。
「(ウェンゼルは)特権階級の息子だ」と、動物保護団体「フロリダ・ボイス・フォー・アニマル」のマリー・ガルブライスはタンパベイ・タイムズに語った。「こんな罰では軽すぎる。自分がやった事の重大さを全然わかっていないのだから」
問題の動画には、高速ボートの船尾から出た釣り糸にからまり海の上を引きずり回され、波間でもがき苦しむサメと、それを見て喜ぶウェンゼルとその友人たちが映っている。得意になったウェンゼルが、自らサメ釣りの名人などに動画を送り付けたため、たちまち悪名が広がった。
フロリダ州にあるモート海洋研究所のサメ研究センターのロバート・ヒューター所長は動画を見て、地元テレビ局WTSPにこう語った。「サメは、波に打ちつけられて息ができない。死まで拷問されたのと同じだ」「彼らに釣りをする権利などない」
動画が公開されると、フロリダ州魚類野生生物保護局が捜査に着手。広報のロブ・クレッパーはウェンゼルらの行為を非難した。生命に対する敬意を欠いた態度に「落胆し、動揺している」と、地元紙ブラデントン・ヘラルドに語った。
ウェンゼルは2017年末、動物に対する2つの加重虐待、第3級の動物虐待およびフロリダ州魚類野生生物保護局の規定に違反した罪などで起訴されている。司法取引で罪が軽くなった。
(翻訳:河原里香)
※3月5日号(2月26日発売)は「徹底解剖 アマゾン・エフェクト」特集。アマゾン・エフェクト(アマゾン効果)とは、アマゾンが引き起こす市場の混乱と変革のこと。今も広がり続けるその脅威を撤退解剖する。ベゾス経営とは何か。次の「犠牲者」はどこか。この怪物企業の規制は現実的なのか。「サバイバー」企業はどんな戦略を取っているのか。最強企業を分析し、最強企業に学ぶ。
ジェニ・フィンク
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