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襲われたランナーが素手で殺したピューマはまだ「子猫」だった

ニューズウィーク日本版 / 2019年3月6日 19時34分

「子猫」といっても、それはまだ成獣ではないというだけのこと。カウフマンは危なかったと当局者は言い、反撃したのは正解だったと擁護した。

「ピューマの子供と成獣では、能力と体重にかなり差があり、人間にあたえる危険の度合いがかなり違うのは事実だ」と、CWSのローレン・トルーイットは言う。「生物学的には、若いピューマはほぼ1歳になるまで『子猫』と呼ばれる。でも幼いからといって、危険がないというわけではない。現にカウフマンも負傷している」


ピューマに襲われて負傷した直後のカウフマン


「幼いピューマで運がよかった、という話だ」と、彼女は言う。「大人のピューマに襲われていたら、命を落としていた可能性が高い」


ピューマに襲われ振りほどいた男性



成長したオスのピューマは通常、体長180~250センチ、体重45~80キロにもなるという。たいていの場合は人間を避けるので、襲ってくることはめったにない。

「ピューマはひっそりと暮らす動物で、狩りをするのは主に夕暮れから夜明けまでの間に限られる」と、トルーイットは言う。「人間がピューマの縄張りでレクリエーション活動をしている場合、ピューマは人間を見ているが、人間はピューマを見たことがない、という可能性が高い」

攻撃してくることはめったにないとはいえ、ピューマの生息域に人間が入り込むにつれて、ピューマに襲われる事件は増えている。米森林局は、ピューマのいる土地で安全に過ごすためのガイドラインと、遭遇した場合の対処法のアドバイスを提供している。

ピューマがいる土地での注意

・単独のハイキングは避ける。出かけるときは集団で、大人は子供から目を離さないこと
・夜明けや夕暮れ時には遠出を避ける
・子供たちはいつも大人のそばに。野生動物は特に子供に目をつける
・小さな子供には大人が付きそう。ピューマは小さい子供を格好の獲物とみる
・ピューマに近づかない。ピューマは普通、対立を避けようとするので、相手が逃げる余地を与えること
・走って逃げようとしない。走るものを追いかけるピューマの本能を刺激しかねない
・中腰になったり、かがんだりしない。直立している人間のほうが、通常の獲物とは違ってみえる
・できるかぎり、自分を大きく見せる。腕を上げる。上着を着ていたら前身頃を大きく広げる。腕をゆっくり大きく振って、大きな声を出す
・襲われたら反撃する。ピューマは通常、頭や首に噛みつこうとする。できるだけ立った姿勢を保ち、襲い掛かる動物に立ち向かう

(翻訳:栗原紀子)

【番外編】

カメラに興味をもち三脚ごと持ち去るライオン



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アリストス・ジョージャウ


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