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狙われる台湾──中国軍から甘い呼びかけ

ニューズウィーク日本版 / 2019年3月7日 18時2分



アメと共にムチも

「1国2制度」は、かつての中国の指導者・鄧小平(トン・シアオピン)が提唱した方式で、1997年に旧ポルトガル領のマカオ、1999年に旧英領の香港がこの方式で中国に返還された。この2つの特別行政区は建前上は一定の経済的・政治的な自治を認められているものの、最終的には中央政府の決定に従わなければならない。香港では中国による言論弾圧が強まっており、もはや「乗っ取られた」も同然、という見方もある。

共産主義中国の「建国の父」毛沢東が1979年に「台湾同胞に告げる書」を発表してから40周年に当たる今年、習近平(シー・チンピン)国家主席は年初に1国2制度の適用などの台湾政策を発表。中台統一の実現は「責務であり、必然である」と述べて、必要ならば軍事行動も辞さない姿勢を見せた。

現在、台湾と正式に国交を結んでいる国は十数カ国にすぎない。毛が中台統一を呼びかけた1979年には米中国交正常化が実現、アメリカは台湾と断交した。だがアメリカによる台湾への軍事的な支援など非公式な関係は続き、中国は緊張高まる台湾海峡で実弾演習を行うなど軍事演習を強化している。

今なぜ中国軍高官が台湾に甘い呼びかけをしたのかはわからないが、台湾が第2の香港にならないことを祈ろう。



※3月12日号(3月5日発売)は「韓国ファクトチェック」特集。文政権は反日で支持率を上げている/韓国は日本経済に依存している/韓国軍は弱い/リベラル政権が終われば反日も終わる/韓国人は日本が嫌い......。日韓関係悪化に伴い議論が噴出しているが、日本人の韓国認識は実は間違いだらけ。事態の打開には、データに基づいた「ファクトチェック」がまずは必要だ――。木村 幹・神戸大学大学院国際協力研究科教授が寄稿。


トム・オコナー


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