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ロシアのT14戦車、トイレが付いて最強?

ニューズウィーク日本版 / 2019年3月8日 16時41分

<トイレがあれば、戦車乗りの長期戦もラクになる>

ロシアの新型戦車「T14」がアップグレードされ、兵士の悩みの種が一つ減りそうだ。

ロシア最新鋭の重装甲車両T14に今回新たに装備されたのは「トイレ」。兵士は戦闘中も人目を気にせず用を足せるようになる。T14を設計したロシア企業「Urals Design Bureau of Transport Machine-Building」のIT部門ディレクターを務めるイリヤ・バラノフは3月7日、トイレがあれば戦車内の兵士の生活の質が格段に向上すると言う。

T14と共通の「アルマータ」型プラットフォームをもつ戦車にはすべてトイレが標準装備された。

「戦車乗りの大きな悩みは、トイレを我慢しなくてはならないこと。水や戦闘糧食は戦車内にあるが、他に必要なものは一切ない」と、バラノフはロシアの国営タス通信に語った。

戦車とトイレの意外な関係?

戦車の歴史とトイレの歴史には意外なつながりがあると言えるかもしれない。第一次大戦中に世界で最初に戦車を開発したイギリスは、その開発プロジェクトを極秘にするため、最初は戦車を「水運搬車」(water carrier)と呼んでいた。だがその頭文字がトイレを意味する「W.C.」になって格好が悪いため、英軍が呼び名を「タンク」に変更したとされる。

イギリスの主力戦車「チャレンジャー2」は、数少ないトイレ付の戦車だ。米軍の主力戦車「M1エイブラムス」をはじめとする現代的な戦車の多くはトイレがないため、兵士は用を足すのにいちいち外に出なければならない。


トイレ付という特徴以外にも、T14が強敵と言われる理由がある。攻撃面では無人砲塔を採用し、口径125ミリの滑腔砲から強力なエアバースト弾を撃てるのに加え、遠隔操作可能な12.7ミリのKord重機関銃と7.62ミリのPK機関銃を装備している。防御面では「アフガニート」と呼ばれるAPS(アクティブ防御システム)を採用し、対戦車ミサイルや砲弾をレーダーが感知すれば自動的にインターセプター(迎撃ミサイル)を発射し、撃墜できる。

華々しいデビューも

ロシアがT14を初披露したのは2015年5月、首都モスクワで行った対ドイツ戦勝70年記念軍事パレードだ。無敵戦車として国内外にアピールしたが、本番前のリハーサルではエンストを起こして立ち往生した。実戦経験はないが、当初と比べて大幅に改良が進んだと見られており、「過去半世紀の戦車設計で最も革新的な進化」と英情報機関が評したと報じられている。

戦車の技術では、ロシアが世界をリードしている。ロシアと国境を接する国々は、ロシアの戦車群をいつも恐れている。総合的な軍事力はアメリカがロシアをはるかに上回るが、ロシアが奇襲攻撃すれば西側のバルト3国は制圧される可能性がある。

(翻訳:河原里香)



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トム・オコナー

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