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ベネズエラ避難民が語る絶望と希望

ニューズウィーク日本版 / 2019年3月15日 17時20分

もっとも、歓迎してくれる人もいれば、そうでない人もいる。「これを食べて。あとは何が必要?」と手を差し伸べてくれる人もいれば、「難民受け入れには反対だ。ベネズエラ人なんて要らない」と言う人もいる。

ベネズエラの故ウゴ・チャベス前大統領時代の私は若くて勉強に一生懸命で、政治には興味がなかった。次のニコラス・マドゥロ大統領は多くの理由から支持しなかった。仕事はないし、食べ物を得るために来る日も来る日も列に並んでいたのだから。



フアン・グアイド国会議長が暫定大統領就任を宣言した今、彼に国を立て直してほしいと思う。心からそう願う。今後、国に戻れるかどうか分からない。状況が変われば戻るかもしれない。でもここでいい仕事に就いて、続けることができたら戻ろうとは思わないかもしれない。

アメリカに移住することを考えたことがあるかって? みんなは考えているけれど、私には無理だと思う。コロンビアまで死ぬような思いでやって来たから、さらにアメリカに行くなんて死んでしまう。いや、うれしくて死んじゃうかな。

私は息子に「強くなりなさい、この状況はいずれは終わる」と言っている。一生懸命に勉強しろとも言っている。私が持てなかったものを手にして、アメリカに行くという夢を息子や娘にかなえてほしいから。そしていつの日か、私をアメリカに呼んでほしいから。

<本誌2019年03月19日号掲載>



※3月19日号(3月12日発売)は「ニューロフィードバック革命:脳を変える」特集。電気刺激を加えることで鬱(うつ)やADHDを治し、運動・学習能力を高める――。そんな「脳の訓練法」が実は存在する。暴力衝動の抑制や摂食障害の治療などにつながりそうな、最新のニューロ研究も紹介。


アナ・カリナ・パラシオ(ベネズエラ避難民)


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