SNSで自滅する自撮り首相トルドー、スキャンダルで進歩主義イメージが...
ニューズウィーク日本版 / 2019年3月18日 16時35分
BLAIR GABLE-REUTERS
右派にはこの類いの問題はない。彼らは権力の醜悪さを自慢し、有権者は、彼らが「嘘をついていないから」という理由で好意的に受け入れる。
バイラルな美徳は自らを食い尽くす。見せかけのポーズで生きていれば、見せかけのポーズのせいで死ぬだろう。
ともあれ、ソーシャルメディアの操作にたけているトルドーは、10月の総選挙で再び勝つかもしれない(勝っても足元は常に不安定だろうが)。ソーシャルメディアの政治的な影響力はあまりに大きく、SNCラバランのように古典的なスキャンダルが、昔とは異なる印象を残すかもしれない。
最後にもう1つ、トルドーに有利なことがある。私たちカナダ人は基本的に、偽善的で独り善がりなのだ。
私たちはとにかく善人に見られたいが、腹の底ではガキ大将も大好きだ。私たちのために雇用を奪い取ってくる強者や、世界の悪党と渡り合える人物を求めているのかもしれない。そこは昔もソーシャルメディアの時代も変わらない。
From Foreign Policy Magazine
<2019年3月19日号掲載>
※3月19日号は「ニューロフィードバック革命:脳を変える」特集。電気刺激を加えることで鬱(うつ)やADHDを治し、運動・学習能力を高める――。そんな「脳の訓練法」が実は存在する。暴力衝動の抑制や摂食障害の治療などにつながりそうな、最新のニューロ研究も紹介。
スティーブン・マーシュ(作家)
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