中国が3万点の世界地図を破壊「国境が違う!」
ニューズウィーク日本版 / 2019年3月27日 16時26分
<中国は、税関で政府の言い分と国の形が違う地図を押収し処分する>
中国当局は、中国が認めていない国境線が描かれた地図を大量に処分した。
山東省自然資源庁や税関などの共催で3月21日に開かれた「問題のある地図の調査状況報告会」は記者会見で、「問題がある地図」約3万枚が入った803箱を押収し、処分したと発表した。自然資源庁の地理情報管理部門によれば、今回の押収量は、ここ最近では最大規模だという。処分理由は、「台湾を国扱いしている(「中国台湾」と表記していない)」とか「国境線が誤っている」など。
中国は、インドや台湾をはじめとして多くの国や地域と国境問題を抱えている。台湾のことは自国の一部としているし、インドとはアクサイチン地区をめぐって対立している。アクサイチンは、インドとパキスタンが領有権を争うカシミール地方と中国の新疆ウイグル自治区の境目にあたる地域だ。またそれとは別に、ヒマラヤ東部に位置するアルナーチャル・プラデーシュ州の一部についても、中国政府はチベット南部の蔵南地区の一部と見なしている。幸福の国ブータンとの国境付近のドクラム高原も自国の領土だとしてインドと獲り合っている。
東シナ海や南シナ海に目を向ければ、日本やベトナム、インドネシア、フィリピン、マレーシア、ブルネイも中国と領有権争いを抱えている。
今月初めには、米化粧品ブランドMACが顧客に送ったDMに描いた中国地図に台湾が含まれていなかったとして、中国のネットユーザーから抗議の声が上がり謝罪する事件も起こった。中国の地図を描くときは気を付けて。
(翻訳:ガリレオ)
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トム・オコーナー
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