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大迷走イギリスが「残留」に方向転換できない訳

ニューズウィーク日本版 / 2019年4月4日 16時30分

「合意なき離脱」回避へ?

こうしている間にも、時間は刻一刻と過ぎていく。EUはメイに、4月12日まで実質的な猶予期間を与えている。それまでに協定案を議会で可決させられなければ、メイはさらに長期間の離脱期限延長をEUに申し入れるほかない。

しかし、議会の総選挙や2度目の国民投票の実施など、イギリスがそれなりの理由を示さなければ、長期間の期限延長には同意できないと、EU側は常々述べてきた。

「EUがイギリスの政治プロセスを指図するような状況になる」と、前出の保守党議員は不満を述べる。「EUからコントロールを取り戻すという目的を達成できているとは思えない」



ドナルド・トゥスクEU大統領は最近、残留を望むイギリス国民を強く支持する姿勢を鮮明にした。

「もしイギリスがブレグジット路線を考え直したいと言うのなら、私たちは長期間の期限延長を受け入れるべきだ」と、トゥスクは欧州理事会で述べた。「離脱中止を求める署名をした600万人、再度の国民投票を求めてデモ行進した100万人を見捨てるわけにはいかない。今では過半数のイギリス国民がEU残留を望んでいる」

これまでずっと「合意なき離脱」の可能性をちらつかせて離脱協定案への賛同を呼び掛けてきたメイは、ここにきて前言を翻し、合意なき離脱を回避する意向を口にし始めた。

ブレグジットをめぐるドラマには、まだひと山もふた山もありそうだ。

From Foreign Policy Magazine

<本誌2019年04月09日号掲載>



※4月9日号(4月2日発売)は「日本人が知らない 品格の英語」特集。グロービッシュも「3語で伝わる」も現場では役に立たない。言語学研究に基づいた本当に通じる英語の学習法とは? ロッシェル・カップ(経営コンサルタント)「日本人がよく使うお粗末な表現」、マーク・ピーターセン(ロングセラー『日本人の英語』著者、明治大学名誉教授)「日本人の英語が上手くならない理由」も収録。



オーエン・マシューズ


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