独裁去ってまた独裁? バシル政権崩壊のスーダンで次に起こること
ニューズウィーク日本版 / 2019年4月22日 11時5分
米政府はバシルの対米協力姿勢や人道支援での譲歩を評価し、2017年には経済制裁を解除。ここ数カ月は、テロ支援国家指定の解除も検討されていたという。クーデターを受けて米政府は、関係正常化交渉を停止すると表明した。
スーダンの行く末を握る主要人物の1人は、スーダン情報機関トップのサラ・ゴシュだろう。ゴシュは対テロ戦争でCIAに協力した過去もあり、サウジアラビアやアラブ首長国連邦(UAE)の後ろ盾も得ている。両国はスーダンでの影響力拡大を狙い、これまでもバシル政権に多額の資金を流し込んできた。
さらに今後は、スーダン新政権がバシルをICCに引き渡すかどうかが1つの焦点になる。ヒューマン・ライツ・ウォッチのリチャード・ディッカー代表は、失脚によってバシルが国際司法の場で裁かれる可能性が高まったという。
「バシルらは、国のリーダーである限り訴追されないとの主張を盾に逃げ続けてきた」と、彼は言う。「そして今や、スーダンの人々がその言い分を覆した」
From Foreign Policy Magazine
<2019年4月23日号掲載>
※4月23日号(4月16日発売)は「世界を変えるブロックチェーン起業」特集。難民用デジタルID、分散型送電網、物流管理、医療情報シェア......「分散型台帳」というテクノロジーを使い、世界を救おうとする各国の社会起業家たち。本誌が世界の専門家と選んだ「ブロックチェーン大賞」(Blockchain Impact Awards 2019)受賞の新興企業7社も誌面で紹介する。
ロビー・グレイマー、ジャスティン・リンチ、コラム・リンチ、ジェフコート・オドネル
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