連続爆発テロ:スリランカはなぜ狙われたのか
ニューズウィーク日本版 / 2019年4月22日 17時5分
復活祭の4月21日夜に起きた爆発については、どのグループも犯行声明を出していない。一連の爆発の死者は290人に達し、負傷者はその倍に上っている。首都コロンボにある聖アンソニー廟、ネゴンボにある聖セバスチャン教会、バティカロアにあるシオン教会といった宗教施設のほか、首都や郊外にあるシャングリラなどの高級ホテルも攻撃された。
ウィクラマシンハ政権は、一連の自爆攻撃に関連する可能性があるものとして、ある情報を示唆している。マノ・ガネサン国民統合大臣はツイッター上で、「1週間前、私が管轄する閣僚警備課(MSD)の警備員が、政治家を狙った2件の自爆攻撃がコロンボで実行される疑いがあるとの情報を得ていた」と明かした。ウィクラマシンハや他の閣僚は、この情報を知らされていなかったという。
「なぜ適切な予防措置がとられなかったのか、調査する必要がある」とウィクラマシンハは述べ、「現在の最優先事項は、容疑者を逮捕することだ」と主張した。「何よりもまず、スリランカでテロが台頭しないようにしなければならない」
昨年の仏像破壊と関連は
「ニューヨーク・タイムズ」紙が公表した書簡によれば、スリランカの治安維持部隊は、イスラム過激派組織「NTJ(National Thowheeth Jama'ath)による教会への攻撃計画を阻止しようと活発に動いていたようだ。NTJは、2018年に起きた仏像の破壊行為に関与したとされている。この仏像破壊事件は、すでに宗教間の緊張で揺れていたスリランカで、さらなる怒りを誘発することとなった。
今回の爆発と関連して、すでに最大13人の容疑者が逮捕されたと報じられているが、スリランカのルワン・ウィジャヤワルダナ国防担当国務大臣はメディアに対し、容疑者の身元を明らかにしないよう要請し、次のように述べた。「過激派に声を与えてはいけない。彼らを殉教者にする手助けをしてはならない」
(翻訳:ガリレオ)
トム・オコナー
-
- 1
- 2
この記事に関連するニュース
-
イスラム教徒のタクジル、非ムスリムも食べたい 宗教理解し合う、インドネシアの断食月
共同通信 / 2024年4月28日 17時32分
-
イラン大統領、16年ぶりにスリランカ訪問 「関係強化の用意」
ロイター / 2024年4月24日 20時1分
-
ガザでは今日も赤ちゃんが殺されているのに…「人権派の欧米諸国」がイスラエルの無差別攻撃を止めないワケ
プレジデントオンライン / 2024年4月17日 16時15分
-
ISは復活し、イスラム過激派が活性化...モスクワ劇場テロで狼煙を上げた「テロ新時代」を地政学で読み解く
ニューズウィーク日本版 / 2024年4月12日 17時37分
-
米イスラム系の若者が直面する精神疾患の実情に迫る
Rolling Stone Japan / 2024年4月11日 7時15分
ランキング
-
1ロシア、化学兵器使用か 米が制裁強化
AFPBB News / 2024年5月2日 15時18分
-
2ラファ侵攻の方針譲らず イスラエル、強硬姿勢維持
共同通信 / 2024年5月2日 23時9分
-
3ロンドン市長選の投票実施 開票は4日、3選目指すカーン氏に「排ガス規制」のアキレス腱
産経ニュース / 2024年5月2日 16時28分
-
4日本経済低迷の理由、バイデン氏「外国人嫌いで移民望んでいないから」…移民受け入れの利点強調
読売新聞 / 2024年5月2日 17時54分
-
5トルコ政府、イスラエルとの輸出入を“全て停止”と発表 「パレスチナにおける人道的な状況がさらに悪化」のため
TBS NEWS DIG Powered by JNN / 2024年5月3日 9時53分
記事ミッション中・・・
記事にリアクションする
記事ミッション中・・・
記事にリアクションする
エラーが発生しました
ページを再読み込みして
ください