言論バトル『主戦場』を生んだミキ・デザキ監督の問題意識
ニューズウィーク日本版 / 2019年4月25日 17時0分
デザキはそのとき、この発言は知識が足りないことが原因だと気付いた。なぜ他国の人が日本に怒りを持つのかを学んで理解すれば、相手と対話ができる、ヘイトクライムは防げる──。
知識がないならまだしも、かたくなに信じているものを覆すことは容易ではない。しかしこの作品には、それすらも可能と思わせる仕掛けが終盤に用意されている。かつて櫻井の後継者と目されていた女性の衝撃的な「証言」だ。
上智大学で上映した際、鑑賞後の感想でこんなことを書いた男子学生がいたそうだ。
「自分は右翼的な思想の持ち主だったけれど、この映画で左派の人たちの考え方を初めて知って意見が変わった」
この言論バトルには観客を傍観者で終わらせない力がある。
<2019年4月30日/5月7日号掲載>
※4月30日/5月7日号(4月23日発売)は「世界が尊敬する日本人100人」特集。お笑い芸人からノーベル賞学者まで、誰もが知るスターから知られざる「その道の達人」まで――。文化と言葉の壁を越えて輝く天才・異才・奇才100人を取り上げる特集を、10年ぶりに組みました。渡辺直美、梅原大吾、伊藤比呂美、川島良彰、若宮正子、イチロー、蒼井そら、石上純也、野沢雅子、藤田嗣治......。いま注目すべき100人を選んでいます。
SHUSENJO
『主戦場』
監督/ミキ・デザキ
出演/ケント・ギルバート、吉見義明他
日本公開中
朴順梨(ライター)
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