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世界の闇社会を牛耳る、頭脳派麻薬王を追え!

ニューズウィーク日本版 / 2019年5月8日 18時0分

――彼には良心が欠けているようだ。北朝鮮から覚醒剤のメタンフェタミンを買い、北朝鮮は収益を核兵器開発に充てていた。

彼が北朝鮮から入手したメタンフェタミンは純度99.7%。覆面捜査官が録音したテープで、彼は北朝鮮の製造施設は1カ月に何トンもの高純度メタンフェタミンを生産できると豪語していた。私の計算では、末端価格で10億ドルにもなる量だ。

――あなたはDEAの捜査官、特に特殊部隊の第960班の活躍を詳述し、彼らに対する世論のイメージを覆した。

ルルーについて取材を始めるまで私もこの班のことをよく知らなかった。高度なスキルを持つチームで、グローバルな地下経済に網を張っている。

裏の世界では、多くの悪人が多種多様な悪事を働き、カネとモノを活発に動かしている。一般市民は地下経済の存在に気付かないだけだ。とんでもなく恐ろしい事態が起きるまで......。



――ルルーが逮捕されたのは?

彼は(メキシコの)シナロア・カルテルとの取引を渋っていた。彼らは怠け者の上に強欲で、高値を吹っ掛けてくる、と。それに比べ紳士然として、ビジネスを心得たコロンビア人を信用したのだが、それが運の尽きだった。彼がコロンビアのカルテルの頭目だと思い込んでいた男はDEAの回し者だった。

――グローバルな地下経済の世界には、第2、第3のルルーがいるのではないか。

そう、まだ逮捕されていないだけだ。今の世界は私の子供の頃よりも不安定になっている。戦争はカネになるし、麻薬と武器の密輸組織は地域を不安定化させようとする。そのほうが仕事をしやすいからだ。

ルルー同様、今どきの犯罪組織の幹部はシリコンバレーの起業家並みに時代を先読みする。ろくに教育を受けていないヤクザだと思ったら大間違いだ。そこを理解していないと、彼らのやりたい放題になる。

<本誌2019年4月30日/5月7日号掲載>


※5月14日号(5月8日発売)は「日本の皇室 世界の王室」特集。民主主義国の君主として伝統を守りつつ、時代の変化にも柔軟に対応する皇室と王室の新たな役割とは何か――。世界各国の王室を図解で解説し、カネ事情や在位期間のランキングも掲載。日本の皇室からイギリス、ブータン、オランダ、デンマーク王室の最新事情まで、21世紀の君主論を特集しました。



メアリー・ケイ・シリング


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