北朝鮮のミサイル発射直後、アメリカはICBMを発射していた
ニューズウィーク日本版 / 2019年5月10日 18時0分
さらに9日のICBM発射実験の数時間後には、米海軍のオハイオ級原子力潜水艦ロードアイランドが、フロリダ州の沖合で核弾頭の搭載が可能なミサイルの発射実験を行った。
9日の北朝鮮の発射実験の直後、韓国の文在寅(ムン・ジェイン)大統領はドナルド・トランプ米大統領と電話で協議し、北朝鮮問題に関して「緊密に連携」することで合意した。トランプと文は、朝鮮戦争以来続いてきた北朝鮮との緊張関係の緩和を昨年から主導してきた。
文は9日夜に公営放送KBSに出演し、北朝鮮の発射実験について「このような行為が続けば、対話が難しくなり得ると北朝鮮に警告したい」と述べた。昨年以降、北朝鮮との非核化交渉が続く中で、このような厳しい発言が文から出たのは初めてのことだ。
またトランプも抑制した表現で非難した。「(ICBMではなく)もっと小さい、短距離ミサイルだ。誰も幸せではないが、今後の事態を注視する」と、記者団に語った。「米朝関係は今後も継続する。しかし今後の推移を見守りたい。北朝鮮は交渉を継続したがっているが、その準備が北朝鮮はできていない」。
今年2月にベトナム・ハノイで開催された第2回米朝首脳会談が決裂した後、米朝間のコミュニケーションは冷え切っている。米国防総省の捕虜・行方不明者調査局は8日、ハノイ会談以来、北朝鮮当局者からの連絡が途絶えていることを明らかにした。
前述のウェイマンは、「米軍はICBM発射実験を『世界のできごとや地域情勢の緊張』とは関係のなく『単発』で実施したように言うが、実際には事前のスケジュールに縛られる必要はないはずだ。過去には9月21日の国際平和デーや2018年の平昌オリンピック期間中に予定していた発射実験を延期したことがある」と指摘している。
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トム・オコナー
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