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南米の武器庫ベネズエラ、かなり危険につき......

ニューズウィーク日本版 / 2019年5月15日 16時0分



また、カラシニコフ銃や狙撃銃など通常兵器が拡散することも懸念される。ゲリラ組織や多国籍の犯罪組織はこれらの通常兵器をテロ攻撃や強盗、治安部隊への攻撃に使用するために重宝しており、ベネズエラ軍はこれらを大量に保有している。ロシア製カラシニコフ銃の工場が19年末までにベネズエラで稼働し始めるという報道もあり、そうなれば毎年2万5000丁が生産されることになる。

アメリカと中南米の同盟諸国は、ベネズエラ政権が崩壊する日に備えて武器が大量流出することのないよう包括的な戦略を立てなければならない。ベネズエラが保有する武器の情報や国境警備の技術を共有したり、武器密輸を防ぐための対策を共同で行うことも考えられる。

アメリカと同盟諸国は、ロシアに対しても、同国が不安定な独裁政権に武器を輸出することに制裁を科すべきだ。ロシアによるシリアのアサド政権への支援に対して取ったような戦略が必要だろう。

ベネズエラの武器がならず者の手に渡らないよう、祈るだけでは不十分だ。無計画による失敗は、この地域に新たな暴力の波をもたらしかねない。

From Foreign Policy Magazine

<本誌2019年5月14日号掲載>

※5月21日号(5月14日発売)は「米中衝突の核心企業:ファーウェイの正体」特集。軍出身者が作り上げた世界最強の5G通信企業ファーウェイ・テクノロジーズ(華為技術)。アメリカが支配する情報網は中国に乗っ取られるのか。各国が5Gで「中国製造」を拒否できない本当の理由とは――。米中貿易戦争の分析と合わせてお読みください。


ライアン・バーグ、アンドレス・マルティネス・フェルナンデス(アメリカン・エンタープライズ研究所研究員)


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