アンネ・フランクの「ビキニ写真」でハーバード大学の風刺雑誌が謝罪
ニューズウィーク日本版 / 2019年5月16日 13時15分
500人の署名を集めることを目標にした嘆願書には、2日間で300を超える署名が集まった。同嘆願書は公の謝罪を求めると共に、問題のコンテンツが発行されるに至った経緯や、再発防止策の説明を要求している。
ハーバード・ランプーン誌の共同代表であるニコラス・グランドリンとジャック・ストービッツ、および担当編集者のリアナ・スピロは、同誌のウェブサイトに共同声明文を発表。自分たちの行動に責任を取らなければならないことは理解していると認め、反ユダヤ主義を非難した。
「個人としても組織としても、問題の画像が作成され、掲載されるのを許した不注意について謝罪したい」と声明文は述べた。「私たちが引き起こした害について申し訳なく思っている」
3人はまた、同誌の発行プロセスには「十分な編集上の監視」が欠けていたとし、今後はコンテンツの作成に「これまで以上に慎重に」取り組むとも述べた。
オランダのアンネ・フランク・センターは、ハーバード・ランプーン誌がこうした編集基準を導入したことについて「希望の兆し」だとしたものの、対処が1週間遅かったとも指摘。問題の画像は「不快で悪趣味」で「ユーモアでも何でもない」と評した。
ドイツで生まれたアンネ・フランクは、10代だった第2次世界大戦の最中、家族と共にアムステルダムにある家の別館を隠れ家とし、そこで2年間を過ごした。その後、何者かの裏切りで、家族と隠れ家にいたところをナチスに見つかり身柄を拘束された。そして15歳という若さで、ベルゲン・ベルゼン強制収容所で人生の幕を閉じた。
だがその死後も、彼女のレガシーは日記という形で受け継がれている。ナチスに見つかるまでの生活をつづった彼女の日記は、その死後に発見され、1947年に出版された。
(翻訳:森美歩)
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ジェニー・フィンク
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