米海軍の潜水艦で女性乗組員の「レイプリスト」、艦長は解任
ニューズウィーク日本版 / 2019年5月20日 18時45分
10日後、同じ男性水兵が更新されたリストを印刷し、同じ女性下士官に渡した。この男性水兵はリストについて、艦のコンピューターネットワーク上に保存され、定期的に更新されていたと述べたという。
女性下士官はリストを撮影した画像を男性の上官に提出。この上官はカーチャー艦長に報告を上げるなどしたが、カーチャーからリスト問題の調査にかまけすぎているとして「スローダウン」するよう命じられたという。
カーチャーは海軍の犯罪調査部門の助けも借りたが、艦のコンピューターシステム内でリストのありかを突き止めることができなかった。噂が広がる中、カーチャーはリストの捜索のためにどんな手を打ったか説明もしなければ、噂の拡散を抑えようともしなかった。
「上官たちはリストのことなどとっくに忘れている」
「若手の(女性)水兵たちは、これが誰がの仕業か突き止めようとする努力を指揮官がしなかったことを知って、自分たちの身が安全でないと感じている」と捜査報告書には書かれている。ある女性乗組員は捜査担当官に対し、上官たちは「リストのことなどとっくの昔に忘れてしまった」との見方を語ったという。
リストを手に入れた女性下士官は、艦の男性上官たちでは十分な対応を取らないとだろうと考え、恋人や家族、そしてジョージア州ギングズベイの母港にいる上官にもリストの画像を送った。
ジャブロンは「カーチャー大佐がさらなる対応をすべきだと認識したのは、公式にこの女性下士官から連絡を受けてからだ。つまり、リスト発覚から数週間経ってからだった」と述べ、カーチャーの艦長解任を上申した。
ある海軍幹部はミリタリー・ドットコムに対し、少なくともフロリダの2人の乗組員が免職になったほか、数は明らかになっていないもののリストに関連して複数が懲罰の対象になっていると語っている。
(翻訳:村井裕美)
※5月28日号(5月21日発売)は「ニュースを読み解く哲学超入門」特集。フーコー×監視社会、アーレント×SNS、ヘーゲル×米中対立、J.S.ミル×移民――。AIもビッグデータも解答不能な難問を、あの哲学者ならこう考える。内田樹、萱野稔人、仲正昌樹、清水真木といった気鋭の専門家が執筆。『武器になる哲学』著者、山口周によるブックガイド「ビジネスに効く新『知の古典』」も収録した。
デービッド・ブレナン
-
- 1
- 2
この記事に関連するニュース
-
【週末映画コラム】実話を基にイタリアを舞台にした映画 海の男たちの誇りと絆を描いた『潜水艦コマンダンテ 誇り高き決断』/自動車メーカー創業者の内面に迫った『フェラーリ』
エンタメOVO / 2024年7月5日 8時0分
-
大人のエンタメ アクションよりも人間ドラマが見せ場 新しい流れが垣間見える欧州の戦争映画 5日公開「潜水艦コマンダンテ 誇り高き決断」
zakzak by夕刊フジ / 2024年7月4日 6時30分
-
「今こそ、強い立場の者が弱い者に手を差し伸べることが必要」『潜水艦コマンダンテ 誇り高き決断』エドアルド・デ・アンジェリス監督【インタビュー】
エンタメOVO / 2024年7月3日 8時0分
-
米軍「あれにはやられた」 大戦末期の旧日本海軍がとった「奇跡の作戦」とは “強運艦オールスターズ”集結
乗りものニュース / 2024年6月28日 16時12分
-
「100年前から親日」のトルコ軍艦9年ぶり来日 実はウクライナ軍艦もコレ!? アジア歴訪は“別の意味”あり?
乗りものニュース / 2024年6月17日 8時42分
ランキング
記事ミッション中・・・
記事にリアクションする
記事ミッション中・・・
記事にリアクションする
エラーが発生しました
ページを再読み込みして
ください