ロシア爆撃機がアラスカに接近、米戦闘機がインターセプト
ニューズウィーク日本版 / 2019年5月22日 16時18分
ここは米露の国境
さらにNORADは、同軍司令官テレンス・オショネシー空軍大将の発言を引用し、以下のように伝えた。「国民と基幹インフラへの脅威を防止し、撃退するには、未知の航空機を検知、追跡、識別することが重要だ。我々は毎日24時間、365日警戒にあたっている」
この海域は米露の国境地帯。アラスカとロシアの距離はわずか88キロほどで、島々はもっと接近している。アリューシャン列島の名で知られるベーリング海の島々は、東側がアメリカ領、西側がロシア領となっている。従って今回のような事例も初めてではない。2019年1月には、米軍のF-22戦闘機2機とカナダ軍のCF-18戦闘機2機が、ロシアの戦略爆撃機Tu-160をアラスカ沖上空で追跡した。2018年には、Tu-95がF-22に追跡される事例が少なくとも2件発生している。
<米露の軍事力比較、2019>
一方、ロシア軍も、自国の空域に接近した米軍機に対してスクランブル(緊急発進)をかけている。3月には、北大西洋条約機構(NATO)加盟諸国がロシアと接するバルト海上空において、米軍のB-52H戦略爆撃機に対して、ロシアのSu-27ジェット戦闘機2機が発進した。同じく3月には、バルト海上空を飛行していたRC-135偵察機に向けて、ロシアのSu-27戦闘機が緊急発進している。
(翻訳:ガリレオ)
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<米露の軍事力比較、2019>
トム・オコナー
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